鐘さんは、「朝の7時半から夜の12時まで作業した。急ピッチで完成させるために24時間連続で作業したことも何回かあった」と振り返る。夜になると気温が0度にまで近づく武漢の建設現場で、作業員は2交代制のハードな作業を続けることで建設作業の24時間態勢を維持した。
鐘さんは「作業に参加した以上、最大限の努力を払ってでもしっかりやろう。少なくとも、僕一人で闘っているのではないのだから」と自分に言い聞かせたという。9日間にわたるハードな作業ののち、雷神山医院は完成して患者の受け入れを始めた。その日、鐘さんは、「この闘いに参加した全ての作業員、スタッフに敬意を表したい。みんなお疲れ様!」と成し遂げた興奮を感じさせるメッセージをSNSに投稿した。
若者には朝日のような温かさとパワー
上海外国語大学に通う金正悦さんはネットを通して、「無名男女子混合雷鋒公益団」を結成。わずか2日で、中国全土だけでなく、世界中からマスク約5000枚を集め、すぐに武漢や宜昌などの病院に送った。同公益団のメンバー110人のほとんどは「00後」だ。
四川省自貢市で、成都工業学院から来たボランティア・蘭星雨さんは取材に対して、「私の主な仕事は、コミュニティで感染防止・抑制の宣伝をすることと高速道路の検問所で通過する車両に乗っている人の体温を測ること。始める前は、怖さを感じていなかったが、実際に検問所に立って、知らない車の運転手を見ると、怖くなってきた。でも、少しずつ慣れた。私たち『00後』はそれほどやわじゃない」と話した。
コミュニティで感染防止・抑制を宣伝する蘭星雨さん。(画像は取材対応者が提供)
「私たちの努力が無駄に終わることはない。歩いた街中、流した汗は、私たちボランティア一人ひとりの努力の証だ。若者には朝日のような温かさとパワーがある」と蘭さん。
本来はのんびりと冬休みを過ごし、実家で親にあまえていたはずの若者たちは、ウイルスとの闘いの第一線に立って、涙を拭いながら「泣いていない」と言い、汗や涙を流しながら「大丈夫」と言うことを学ぶようになっている。
それら若者はいつの間に大人になったのだろうか?「喪文化(無気力、悲観、絶望などの消極的な感情から成立したサブカルチャー)」、「世の中なんてこんなもの」、「一人っ子」、「温室育ち」などの汚名はすでに返上されている。若者はいつここまで成長したのだろうか?
四川省の湖北省を援助する第一陣の医療チームのメンバーである西南医科大学附属病院呼吸二科の看護師・邱少平さん(27)は、「自分が楽しい時間を過ごすのも好きだけど、平凡な生活の中で、闘志や社会的責任感を失ったということではない。逆に、平凡な生活の中の楽しみや美しいものをもっと大切するようになっている」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年2月20日