2月8日、仙桃市の湖北裕民防護用品有限公司の生産現場で、作業員が医療用防護用品を急ピッチで生産していた。(撮影・侯琳良)
中国の湖北省仙桃市は不織布の生産が盛んなことから、「中国不織布産業の有名都市」と呼ばれている。武漢都市圏を構成する都市の1つとして、仙桃はこのたびの新型コロナウイルス肺炎対策で「2つの戦場」に直面するとともに、「二重の試練」も経験することになった。感染に正面から立ち向かうだけでなく、企業活動と工場の操業を再開し、医療用防護物資の供給に全力を尽くさなければならなくなったのだ。
2月8日の時点で、小都市・仙桃の医療用防護服の1日あたり生産量は3万枚に達し、不可能を可能にしている。
仙桃は不織布の生産が盛んとはいえ、生産の全プロセスを医療用防護服に充てられるメーカーは少なく、原材料や半製品の提供にとどまるメーカーもあった。現在、医療用防護服は全国的に大きく不足しており、特に武漢市での不足が深刻だ。湖北省政府からの指令を受けると、仙桃市党委員会の周志紅書記はきっぱりと言い切った。「感染拡大を前にして、私たちに後戻りする道はない。使命と引き受けるべき役割があるだけだ」。
仙桃は生産能力を増強するため、市を挙げて人々を動員し、指定企業には「6つの統一」を実施した。「6つの統一」とは、統一的な設備の調整・調達、統一的な原材料の供給、統一的な作業員の安全確保・飲食・宿泊の手配、統一的な検疫・検査、統一的なパッケージング・輸送、統一的な資金の拠出のことだ。これと同時に作業専門チームを数チーム作り、チームごとに工場に駐在して生産を担当することとした。またメーカー9社が製造した半製品は、すべて深セン市の穏健医療用品股フン有限公司(フンはにんべんに分)に引渡しされた。
品質検査係の姜愛平さんは、「医療用防護服の生産標準は極めて厳格で、特に生地のつなぎ目はテープでしっかりとふさがれていなければならない。そうでなければ密閉状態が保証され、防護服としての役割を果たすことはできない」と話した。姜さんは作業場所で実際にどんなものか説明してくれた。防護服の生地を広げ、しわにならないようにピンと伸ばし、テープを貼り付ける機械のヘッド部分の下に置き、機械を操作すると、ヘッドから青色の布テープが出てきて白い生地のつなぎ目をぴたりとふさぐ。側で見ていた孫愛民さんは、「簡単にみえるが、熟練したテープ作業員はなかなか見つからない。春節の需要に間に合わせようと思ったが、作業員が不足する中、テープ作業員となるとことのほか不足していた」と説明した。