世界経済はこの状況を切り抜けられるか 米欧株が急落 (2)

人民網日本語版 2020年03月05日16:52

交通輸送業をみると、国際航空運送協会(IATA)の速報値の評価によれば、感染症の影響により、アジア太平洋地域の航空会社の年間旅客輸送ニーズが13%減少し、世界の旅客輸送ニーズも4.7%減少する可能性がある。世界の海運の運賃のバロメーターとされるバルチック海運指数(BDI)は大幅に低下し、今なお相対的に低い水準が続く。海運専門誌「ロイズリスト」によれば、世界の海上貨物輸送の空船率は1月初めに3.2%上昇し、1月末にはさらに3.4%上昇した。

製造業は感染症の打撃をさらに大きく受けた重点分野だ。新型肺炎の拡大がグローバル製造業チェーンにドミノ効果をもたらし、多くの大手企業は部品や完成品の生産・サプライチェーンが断裂するという苦境に直面している。米アップル社は第1四半期決算の中で、四半期の収入指標が達成できず、新製品の引渡しも延期になる可能性があると警戒した。米電気自動車大手のテスラも、2月初旬に予定されていた「Model3」の引渡しを延期すると発表した。

このほか感染終息後の世界経済の回復状況がどうなるかについて、経済学者の間では見方が分かれる。ゲオルギエワ氏は、「新型肺炎は経済発展にV字の反転上昇効果をもたらす可能性がある」と述べ、フランス経済・財務省のブリュノ・ル・メール大臣は、「グローバル経済はL字型の鈍化傾向が続く可能性がある」と述べた。

米シンクタンクのピーターソン国際経済研究所の黄天磊研究員の分析では、「グローバル経済にL字型の持続的鈍化傾向が出現する可能性は低い。新型肺炎はなんと言っても一時的な打撃に過ぎず、グローバル経済に持続的な影響を与える可能性は高くないからだ。貿易情勢の緊張局面が緩和するのにともなって、グローバル経済が緩やかに回復する勢いも続くという流れが、新型肺炎危機の終息した後ではっきりしてくるだろう。私のみるところでは、グローバル経済の回復はV字型またはU字型の回復になる可能性が高い。感染症が続く時間が長ければ長くなるほど、V字またはU字の左半分も長くなる」という。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年3月5日

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