人民元の対米ドルレートが、旧暦ねずみ年の最初の取引日に大幅に下落した。「経済日報」が伝えた。
中国外貨取引センターが最近発表したデータによると、2月3日に人民元の対米ドルレート基準値が1ドル=6.9249元になり、前取引日に比べて373ベーシスポイント低下し、2019年8月6日以降で最大の低下幅を記録した。
3日午後4時現在、オンショアレートは1ドル=7.0209元、オフショアレートは1ドル7.0190元だった。
業界関係者は、「人民元レートは主に新型コロナウィルスの感染による肺炎の打撃を受けたが、これは一時的なものだ。状況が回復し、影響が薄まるにつれ、人民元レートにかかる圧力は軽減されていく」との見方を示した。
瑞銀集団は同日に発表した中国経済の見通しに関する最新の報告書の中で、「このたびの新型コロナウィルス肺炎の打撃は一時的なものであることを考えると、経済活動が正常な状態に戻れば、20201年の中国の国内総生産(GDP)成長率は反転上昇すると予想される。また、消費は今回の新型コロナウィルス肺炎により大きな打撃を受けたが、中国経済のリバランス、サービス業が経済全体に占める割合の段階的上昇、科学技術のバージョンアップといった長期的な流れは変わらない。一連の要因が人民元レートの安定を支える役割を果たすだろう」と指摘した。
昨年末以来、外部環境が緩和され、経済データが予想以上に好調だったことから、人民元レートは上昇を続けてきた。データをみると、今年1月20日まで、人民元の対米ドルレートの基準値(午後4時30分現在のレート)は1ドル=6.8664元に、終値(同)は同6.8613元まで上昇し、昨年の最安値に比べて3.2%と4.6%とそれぞれ上昇し、今年に入ってからは1.6%と1.5%の上昇になった。
業界関係者は、「突発的な新型肺炎が市場のムードを動揺させたが、強い値下げ観測にはつながっていない。海外の1年ものノンデリバラブル・フォワード(NDF)に示された米ドルの対人民元レート上昇への期待をみると、1月21日から23日までの平均は0.7%で、1月初日から20日までの平均値0.1%を上回ったが、昨年8月5日(人民元の対ドルレートが7元台になった日)から10月11日(第13回中米経済貿易協議の段階的合意文書に調印する直前)までの平均値1.1%を下回った。銀行間外貨市場のスポット取引の一日当たり平均成約額をみると、21-23日は289億ドル(1ドルは約109.4円)に上り、1月初日-20日の360億ドルの規模を下回った」と述べた。
中国人民銀行の潘功勝副総裁(国家外貨管理局局長)はこのほど2020年中国経済トレンド年次総会で、「2019年は外部環境が複雑に錯綜し、グローバル経済・貿易の成長は鈍化し、国際金融市場の変動が大きかったが、人民元レートは世界の通貨の中では相対的に安定していたと同時に、レートの弾力性が増大を続け、双方向に変動し、外貨資源の配置、国際収支のバランス、マクロ経済の強靱性増強の面で重要な自動安定化装置の役割を果たした」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年2月5日