北京市の青果店オーナーはこのほど、「新型コロナウイルスによる肺炎が発生して、自分たちのような実店舗の経営者は考えさせられ、モデル転換を迫られた。今回の感染症を受けてECプラットフォームにネット店舗を開設し、商品を家まで届けるようにしたし、ライブ配信による販売手法にもしばしばトライした。今のところ成果はまずまずだ」と話した。中国新聞社が伝えた。
感染状況の中、中国各地の実店舗経営者、とりわけ中小企業の経営者は、オンラインでの業務再開を通じて「鮮やかな自力救済」をはかりつつある。ライブコマース、自宅まで配達、食材のデリバリー……濃い霧の中、一部の企業が囲みを突破するそのやり方が業界の方向性を示すともしびとなっている。
ライブコマース
スピード伝票発行機3台が次々に伝票を吐き出し、数分後には地面は伝票で足の踏み場もなくなった。機械からそう遠くない場所には浙江省衢州市の湯飛帆市長がいて、ソーシャルコマースプラットフォームの「拼多多」で、53万人の消費者に向かって同市産ポンカンの歴史と食べ方を説明していた。
2月19日は拼多多の「農産物産地・消費マッチングイベント」の初日で、各地方の特色ある農産品が初めてネットに登場した。湯市長と広東省徐聞県の呉康秀県長が自らライブ配信パーソナリティを買って出て農産品をアピールした。
イベント開始から24時間もたたないうちに、同県産パイナップルには累計4万6千件の注文があり、総販売量は約12万5千キロに達した。同市産ポンカンには2万件を超える注文があり、総販売量は10万5千キロを超えた。
これまでライブコマースに登場したのは化粧品や食品などの日用消費財が多かった。感染状況の中、家電業界もライブコマースモデルを開始。家電はサイズが大きく、単価が高く、消費頻度が低いため、ライブ配信には適さないとみられていたが、家電メーカーのTCLが最近、ECプラットフォームの出店業者である有賛を利用してライブ配信を行い、1千万元(1元は約15.2円)に迫る売上高を達成した。TCLの初めてのライブ配信では、開始10分以内に売上高が150万元を超えたという。
オンラインショッピングガイド
靴類・衣類ブランドにとって、感染状況は店を営業停止に追い込み大きな損失を与えただけでなく、春物シーズン全体にも影響が及んだ。オンラインへと早急にモデルを転換し、資金の回収をはかるのが、ほとんどのブランドが真っ先にやろうと考えていることだ。
感染状況の中で閉店率が80%に達した韓国系服飾品ブランドのティニーウィニーは、1週間をかけてミニプログラムをリリースし、7千人を超える社員に有賛「販売員」の権限を付与し、全員がSNSを通じて販売行為を行えるようにし、家にいながらショッピングガイドなどをして「勤務」できるようにした。
ティニーウィニーは3日間で売上高が1500万元を突破した。社員の長期にわたる待機問題を解決しただけでなく、会社に「オンライン業務再開」という新しい手法をもたらした。
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