中国では新型コロナウイルス肺炎の感染状況の影響を受けつつも、現在企業や工場の営業や操業再開が段階的に進んでいる。人民網ではこのほど、北京雅可乳特貿易有限公司(北京ヤクルト)の内桶健副総経理に、養楽多(中国)投資有限公司(中国ヤクルト)を始めとする中国各地の事業拠点や工場における再稼働の現状や中国の予防・抑制措置に対する評価、企業への影響などに関してインタビューを行った。
湖北省で必要とされる医療物資の購入に優先的に使用される上海市慈善基金の「新型肺炎対策専用行動基金」に300万元を寄付(写真提供・中国ヤクルト)。
武漢以外の事業拠点と全工場で春節休暇明けは操業停止せずに生産営業許可を取得
社内に対策委員会を設置し、食品メーカーとしての従来からの衛生管理に加え、行政当局からの指導要件を満たすことで、社員の安全と健康管理や職場の衛生管理に万全を尽くしている中国ヤクルト。現在、多くの地域で「ヤクルト」製品が生活必需品として認められ、春節休暇明けも操業を停止することなく、武漢以外の事業拠点と全工場で生産および営業の許可を得て、社員の安全確保と行政当局への確認に基づき、業務の再開を決定しているという。
内桶副総経理は、「事態は確実に収束に向かっており、その事業活動においても順次回復を見込んでいる」と前向きな見方を示しているものの、やはり営業再開できていない小売店舗の存在や市民の外出、集会自粛などの影響は免れず、通常の事業活動にはまだ至っていない。また、工場見学や消費者に乳酸菌の健康作用などを紹介する「健康教室」活動といった大勢の人が集まる健康普及活動についても、感染拡大防止の観点から、当面の間は中止せざるを得ない状況だという。
マスクと手袋着用したセールスドライバーの納品風景(写真提供・北京ヤクルト)。
日頃の厳格な品質・衛生管理をさらに強化
社内措置としては、全体的には社員に対する手洗いやうがい、マスク着用を始めとする一連の感染拡大防止措置を徹底している。工場では、活きた乳酸菌を扱っていることから、もとより厳格な品質管理が必要であり、日頃からHACCPやISOといった品質管理システムを導入して厳格な品質管理や衛生管理が行われている。今般特に、感染拡大の防止が最優先される状況であるので、日頃の品質および衛生管理に加え、行政当局の指導要件を確実に満たすことで、操業を継続していると言う。また事業拠点では、セールスドライバーをはじめ営業社員の毎日の健康管理や衛生管理を特に強化し、行政当局の指導要件を遵守し、車両や資材の清掃および消毒に万全を尽くしている。