「感染状況は想像より深刻」
今泉 敢さん(会社員)
日本は自然災害が比較的よく発生する国で、日本人である私たちは子供のころから防災訓練を受けているので、災害がやって来た時には比較的落ち着いて対応できる。だから感染が広がり始めた時にも、まだ怖いとは思わず、毎週友人とお酒を飲みに出かけていた。でも日本政府がオリンピックの開催を2021年に延期すると発表してから、毎日ニュースで報道される感染者数が倍増するようになり、そのころから感染状況が想像していたより深刻だと思うようになった。突然感染者が増えた理由がそれまでの統計データ上の問題なのかどうかは分からない。でも本当に感染状況が深刻だと気づいてからマスクを買いに行ってももう全く買えず、今では家にあるマスクも少なくなってしまった。外出して買い物をする時もマスクをしないといけないので、もうすぐ足りなくなってしまう。今は家からできるだけ近いスーパーで生活用品を買うようにしている。すぐに行けてすぐに帰ってこられるから。こんなに短い距離ならマスクを無駄にすることはないと思って、マスクをしないこともあるが、みんなが着けているのを見てなんだか申し訳ない気がしてしまう。政府は各家庭にマスクを配ると言っているが、2枚だけだし、医療用のマスクでもないので、やりきれない気持ちになる。
「本当に不安」
吉田 佳代さん(会社員)
日本で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた当初、在宅勤務させてほしいと会社に願い出たが、許可が出なかった。その後3月25日に東京都知事が緊急記者会見を開き、できるだけ不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、在宅勤務をしてほしいと発言した後、私たちの部門は28日から在宅勤務ができるようになった。
日本は普段から災害が多く、家には生活用品と食料品を備蓄しているため、周囲で多くの人が食料品を奪い合って買おうとしていた時にも、私は割合平気だった。でもマスクは確かに十分とは言えなかった。私自身の今の最大の問題は花粉症がひどいのに病院に行けないこと。外では感染者が毎日増加していて、外出すると心配なので、今はまず我慢するしかない。
現在は生活用品を買うために3日に1度外出している。いつも朝スーパーが開店してすぐの時に行くようにしている。その時間帯は比較的人が少ないからだ。できるだけ外部と接触しないようにし、どうしても処理しなければならないことがなければ、できるだけ公共の場所に行かないようにしている。自宅に引きこもる生活は退屈だが、こうして家にこもることには意義がある。現在の状況からして、日本はこれからすぐに感染者が急増する時期に入るだろう。今後どうなるのかが分からず、本当に不安。現時点ですぐにできることは、いつもより注意するということだけだ。
日本で暮らす華僑・華人が備蓄した生活物資(撮影・李沐航)。
「備蓄は十分、2ヶ月間外出しなくても大丈夫」
范勇強さん(留学生)
通っている学校はまだ休校になっていない。幸いなことに今は春休み中だが、これからどうなるかはまだ分からない。外出する時には必ずマスクを着けているし、アルバイトの時もマスクをしている。今一番心配なのは生活物資。スーパーでは通常通り供給されているが、人が多いところに行くのは怖い。コメは少なくとも1ヶ月分準備したし、パスタや乾麺、うどん、即席麺などの麺類もある。そのほかの生活消耗品もたくさん買ってあり、ざっと見積もって、これだけあれば2ヶ月は外出しなくても大丈夫だ。唯一不足しているのは野菜で、たくさん買うとダメになってしまうし、少ないと足りないので、それが悩みの種だ。でも今は、生活レベルをひとまず下げざるを得ない。すべては今の感染状況をやり過ごすことが先決だ。
個人的には、今回のような「非常時」を経験するのは初めてだ。この人生における「授業」は、学校で受ける教育より内容が深く、より試練でもあるが、準備は整っている。
「苦しさの中に楽しみを見つける」ことを覚え、この期間に手元にある限りの食材で美味しいものを作る方法を考え、どうやったらより科学的で健康的な食事ができるかを研究した。おかげで新たな生活スキルが身についた。海外にいて両親とは離れていても、寂しいけれど孤独ではない。身近にいる友人たちと共に協力して現在の困難を克服していきたい。家に備蓄した物資を使い終わる頃には、このウイルスとの闘いに打ち勝っていることを期待している。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年4月9日