湖北省の感染対策の現場に駆けつけた人々によって設立された浙江省杭州市の医療・介護チームは3日、メキシコの同業者と杭州市赤十字会病院リモート立会診察センターにて、新型コロナウイルス感染対策・診療について専門的な検討を行う様子。竜巍/人民図片
新型コロナウイルスによる肺炎が世界的に拡大している。危難の時に、中国は速やかに世界の科学技術界と科学データ、テクノロジーの成果、感染対策プランを共有している。世界の同業者との交流・協力を堅持し、意思疎通を深め、世界の感染症との闘いに大きな自信を注いでいる。人民日報海外版が伝えた。
新型コロナウイルスの感染が発生した当初、中国の科学研究者は共有の精神に基づき、世界に向け新型コロナウイルスの研究で得られたデータ・情報を公表した。中国の科学者は1月11日にいち早くウイルス株を分離・鑑定するとともに、世界保健機関(WHO)にウイルス全ゲノム配列を提供した。世界の科学者が薬品・ワクチン・診断の研究を展開するため重要な基礎を提供した。WHOは中国がウイルスのゲノム配列を提供したことに感謝の意を表した。
このほど開かれた国務院新聞弁公室の記者会見において、中国科学技術部(省)の徐南平副部長は、「中国はいち早く世界とウイルスやゲノム配列を共有したが、これは各国がより早くワクチンの研究開発を展開することに期待してのことだ。中国は現在、ワクチン研究開発の5つの技術路線を同時に推進している。どの技術路線にも国際協力があり、対外的に開放されている」と述べた。
徐氏によると、中国の関連企業は米Inovio社とDNAワクチンの実質的な協力を行っている。中国企業は独BioNTech社とmRNAの協力を行っている。中国企業は英GSK社と組換えタンパク質ワクチンの協力を行っている。
徐氏は「ワクチンの研究開発は世界が共に取り組むことだ。世界の力を結集し、世界と成果を共有することが中国の基本的な態度だ。科学データ、技術の成果、対策プランを速やかに共有するほか、中国はさらに各国と引き続き感染対策、患者の治療、基礎研究などの科学技術における協力・交流を深めていき、世界の感染対策の力になる」と述べた。
また感染発生後に中国が構築した「新型コロナウイルス感染対策科学研究成果共有交流プラットフォーム」は現在まで、99種の学術誌をリリースしており、論文及び報告書は700本を超えている。一方で、中国の科学者はランセットやNEJMなどの世界的に有名な学術誌に54本の論文を掲載し、世界の同業者と交流している。
感染対策の戦いにおいて、中国発のハイテク製品が次々と登場し、重要な役割を果たしている。
中国国家生物情報センターが構築した2019新型コロナウイルス情報バンクはこれまで、152カ国・地域の7万6000人以上のアクセス者にデータサービスを提供している。文書のダウンロード件数は400万件以上。中国内外の専門家は資源バンクのデータ・情報を利用し、高水準の研究論文を発表している。資料写真
華大基因が開発・生産する新型コロナウイルス検査キットが3月22日、遠く離れたセルビアに届いた。セルビアが初めて受け取った海外からの感染対策支援物資となった。同社の検査キットはすでに70数カ国・地域に輸出されている。世界から受注量は100万人分以上にのぼる。中国が研究開発した複数種類の新型コロナウイルス検査キットはすでにEU市場進出資格を正式に取得している。中国は検査キットを寄贈しただけでなく、多くの国への供給を次々と開始している。
華為(ファーウェイ)はアルゼンチンの戦略協力パートナーの支援を受け、同国に「AI(人工知能)+クラウド技術」のサーモグラフィー検温システムを寄贈した。同システムはファーウェイと協力パートナーが共同開発した。華為クラウドプラットフォームを利用し、AIサーモグラフィー技術によって人の体温を自動的にチェックする。人体の接触を効果的に回避し、人から人への感染リスクを下げる。
テンセント健康新型コロナウイルス感染状況モジュール国際版(TH_COVID19_International)がこのほど、正式にソース公開された。同モジュールは地図とデータの統計曲線に基づき世界の感染状況統計データを表示する。新規感染者、累計感染者、治癒数、死者数などの統計次元を網羅するとともに、権威あるメディアをソースとする動的な感染状況報道を統合しており、世界の人々は携帯電話により速やかに感染情報を取得するのに役立つ。
科学技術部生物技術発展センターの張新民センター長は、「中国はさらにWHOと意思疎通・交流を強化し、関連諸国、特に感染状況が深刻な国との感染源特定、薬品、ワクチン、検査などの科学研究協力を強化し、科学研究データ・情報を共有し、世界の感染対策の最後の勝利に向け、中国の知恵と力を提供する」と述べた。
(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月7日