石油化学企業がメルトブロー不織布を生産し、自動車メーカーがマスク製造器を製造し、建築材料メーカーがサーモガンを製造する……最近、多くの企業が相次いで業界の枠を超えて防疫物資を生産し、企業活動・生産活動が再開する中で希望の光になっている。工商情報検索サイトのデータによれば、現在は全国で企業数万社が新たにマスク、消毒液、医療用防護服といった防疫物資の生産業務を手がけている。マスクの生産能力だけでも、この1ヶ月間で4倍以上拡大し、1日あたりの生産能力は1億枚を突破した。人民日報アプリが伝えた。
1億枚のマスク生産能力の背後には、製造業企業の急速な生産転換があり、そこに映し出されるのは、中国製造(メイド・イン・チャイナ)の優位性とポテンシャルだ。
中国の完全に整った工業システムが、生産の迅速な調整や産業チェーンの再構築を可能にしている。衣料品工場が医療用防護服の生産に転換し、酒造メーカーが医療用アルコールを、建築材料メーカーが医療用消耗品を生産する。こうした企業はまったく基礎のない分野に生産を転換したのではない。中国は41の工業大分類、207の工業中分類、666の工業小分類を擁し、同分類の産業の中に業務は共通するが分業している企業が非常に多くあり、このことが業界の枠を超えた生産転換の成功率と効率を高めた。同時に、川上から川下まで連携した産業チェーンの再構築も有効な生産能力の形成を加速させるカギになった。「当社にはメルトブロー不織布がある、どこかにマスク製造機はないか?」。マスク生産に転換した中国石化が微博(ウェイボー)でこのように呼びかけると、すぐに多くの企業から反応があった。生産ラインを迅速に調整し、産業チェーンを迅速に再構築したことから、中国が国連の国際標準産業分類のすべての工業分類を擁する世界で唯一の国であるという独自の優位性が十分にうかがえる。ずらりと色をそろえたパレットがあるからこそ、自身をもって臨機応変に絵を描くことができるようなものだ。