「どうぶつの森」はなぜ中国でこれほど人気か?
「どうぶつの森」の中国での人気の背後には、同シリーズが初めて中国語対応になったこともあれば、感染症の影響による「おうち生活」が後押しをしたこともある。
またここ数年のカジュアルゲームの成長によるところも大きい。アプリ市場調査会社の米アップアニーの「2020年モバイル市場報告」とモバイルネットワーク製品のベンチマーク分析を手がける易観千帆のデータによると、モバイルゲーム産業で最も成長が著しいのはカジュアルゲームで、月間アクティブユーザー数は4億人に達したという。ダウンロード件数も最多で、ゲーム全体のダウンロード数のうち47%を占める、女性ユーザーの増加と消費パワーの発揮が、カジュアルゲームの発展に極めて大きなユーザーの基数と基盤を提供している。
さらに現実生活との類似性やほのぼのと可愛らしい作風により、「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」青年の社交生活で話題になったこと、ショート動画で活発な告知活動が繰り広げられ、友人からの口コミやおすすめがゲームの主要な発信ルートになったこともある。
現実逃避のユートピア
「どうぶつの森」には一応メインストーリーがある。借金をしてより大きな家を建てて、借金を返すというストーリーだ。ただ借金には利息も期限もない。
「どうぶつの森」プロデューサーの野上恒さんは取材に答える中で、こんな話をしてくれた。「残念なことに、『あつまれ どうぶつの森』を発売した時、世界ではこんなに大変なことが起きていて、次々降りかかる災難にすっかり元気をなくし心を痛めていた。このような状況であるので、『どうぶつの森』の大勢のファンにはこのゲームを一種の逃避場所としてもらいたい。大変な時期だからこそ、楽しく遊んでもらいたい」。
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