しかし別のアナリストは、「先物取引にはあらかじめ決まった清算日がある。感染症の影響で原油先物の期近5月物はニーズがなく、原油を売る側はお金を払ってでも過剰在庫を引き取ってもらいたい状況だ。だが4月21日以降、期近6月物の価格は1バレル20ドル台まで回復するとみられ、今後数ヶ月で今ある原油ストックがすべて引き取られれば、長期的にみて原油価格は正常な水準に戻るだろう」との見方を示す。
中国市場にも波及するか?
国泰君安証券の王笑・原油先物研究ディレクターは、「海外市場での原油価格暴落が短期的に上海市場の原油価格に与える影響は限定的であり、上海国際エネルギー取引センターにWTIのような投げ売り現象はみられない。しかし注意しなくてはならないのは、上海市場では原油やその他のエネルギー・化学工業銘柄にも同じようなストックが膨らむリスクがあるということだ。このリスクが顕在化するリスクが高まっている」と述べた。
東海先物取引研究所のエネルギー・化学工業分野の李婉瑩シニアアナリストは、「原油先物のマイナス価格からわかるのは、現在の石油市場が疲弊しているという基本的側面であり、国内市場のエネルギー・化学工業銘柄が下落する可能性がある。最近の上海市場の原油先物は倉庫費用が調整され、海上輸送費用も低下し、国内市場と海外市場の価格の開きがさらに縮まる見込みだ。ここ数ヶ月は取引の下ぶれ圧力が増大し、取引の時期による価格差が広がるとみられる。投資家は『底値で買おう』と安易に思わず、ポジションを合理的にコントロールすることだ。今後は各国の操業再開状況と感染状況の推移に重点的に関心を払うべきだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月23日