また同報告の調査研究データでは、ワーキングマザーの60%近くが、「子どもは昼間は両親に面倒をみてもらい、夜は自分が面倒をみる」と答えた。「すべて自分が面倒をみる」は15.2%で、こうした母親達にはさらに気力が必要だ。
張さんがありがたく思うのは、自分の母親と義母が代わる代わる北京に来て子どもたちの面倒をみてくれ、張さんの負担をかなり軽くしてくれることだ。
同じく85後で2児の母親の李琳さんは、張さんほど条件に恵まれていない。友人の目からみると、李さんは「謎めいた存在」だ。李さんが2人の子どもの面倒をみながら仕事を続けていられるのはどうしてかと、好奇心を抱く人は多い。ここ2年ほどの間に、李さんはたびたび「本当にすごい」、「スーパーママ」といった賛辞を耳にしてきた。
李さんはこうした評価を耳にしつつ、「特別な力なんてない。昼間は子どもの世話をして、夜になると寝ないで働いているだけ」と話した。
李さんには2人の子どもがいて、上が5歳の男の子、下が2歳の女の子だ。男児も女児もいるため、多くの人にうらやましがられる。李さんはかつてメディアで働き、その後、脚本家に転じた。夫は隣の都市で働き、週末になると家に帰ってくる。普段は2人の子どもの食事や排泄まですべて李さんが1人で担う。幸い、会社に行く必要がなく、仕事の大半は家でできる。
李さんが上の子を出産した時は、義母がよく来て子どもの世話をしてくれた。しかし時間が経つうちに、自分と義母の子育て観の違いをすりあわせることができなくなってきた。義母は子どもを甘やかし、夫は普段家におらず、張さんも義母と言い争うわけにはいかない。最終的に李さんは自分で子どもの世話をすると決め、どんなに大変でもその方が子どもをしっかり教育できると考えた。
会社では毎週定例会議があり、李さんは上の子を幼稚園に送ると、下の子を連れて会議に出る。また普段の生活でちょっと外出する時は、上の子に携帯電話を持たせて留守番させ、妹の面倒をみさせており、何かあれば電話をかけさせることにしている。