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海外から1日に5機もの軍用機が物資輸送のため上海に飛び、世界最大の輸送機が自国への防護物資輸送のために中国まで何度も往復し、複数の国が旅客機で中国まで医療物資を引き取りに行くなど、新型コロナウイルス流行中に、世界中の貨物輸送便が続々と中国に到着し、中国で製造された防疫物資を次から次へと積み込んで、世界各地へ戻っていった。人民日報が伝えた。
感染症の突然の襲来により、防疫物資不足が各国にとってすぐに解決しなければならない難問になった。こうした状況を前に、中国は中国国内の感染症対策をしっかり行った上で、力を尽くして海外に防疫物資を送り続け、世界の感染症対策にとって重要な「戦略的補給」を行った。大まかな統計によると、3月1日から4月30日までの間だけで、中国から輸出されたマスクは278億枚、医療用防護服は1億3千万枚、新型コロナウイルス検査キットは7341万回分、赤外線体温計は1257万個、人工呼吸器は4万9100台、患者のモニタリング装置は12万4千台、医療用ゴーグルは4363万個、医療用手袋は8億5400万組に上った。「中国は記録的なペースで世界が必要とする医療用品を製造し、人々が難関を乗り越えるのを支援した。これは歴史的な出来事になるだろう」と評価した海外メディアがある。
人々の記憶に新しいこんな出来事があった。感染対策期間中に、蘇州市のある企業が武漢市から消毒設備200セットの注文を受けたものの、感染が広がっていたため、同社の従業員は職場に戻ってくることができなかった。そこで同社の責任者が全製造ラインを自分一人で稼働させ、毎日約2時間しか寝ないで16日間連続で働き、ついに200セットをすべて完成させた。同責任者は、「確かに大変だったが、感染症に奪われた命に比べれば、こんなのは何でもない」と述べた。命は何よりも尊い。これは中国人の素朴な価値観であり、また中国の製品に秘められたプラスのエネルギーでもある。ウイルスと闘い、死の淵から生還するため、中国は数々の困難を克服し、条件が整った地域では、関連企業の活動再開を全力で推進し、各種企業を緊急動員して業界の枠を超えた生産転換を進め、これまで自動車や携帯電話、太陽光発電設備やスーツを作っていた企業が、製造ラインを一時的に調整して、マスク製造に切り替えた。
世界貿易機関(WTO)の発表した報告によると、感染症が爆発的に拡大してから、世界で80ヶ国がマスクや手袋などの医療防護設備の輸出を禁止または制限した。しかし中国は感染対策が最も深刻だった時にも、このような制限は打ち出さなかった。4月以降は、中国の防疫物資の輸出が目に見えて増加し、1日あたり平均輸出額は同月上旬の約10億元(1元は約15.1円)から、最近では同30億元以上にまで増加し、1ヶ月で3倍以上増えたことになる。「感染症対策に必要なものであれば、中国は何でも製造する」。急上昇カーブを描く輸出の背後には、運命を世界と共にすることへの中国国民の深い理解があり、グローバル感染症対策に対する中国企業の勇気と毅然とした態度がある。