スペースXは今はまだテスラほどの爆発的な成果を収めたわけではないが、発展の可能性は多くの業界関係者に有望視されている。
テスラの最新の時価総額は1548億ドル(1ドルは約107.7円)に上り、今年に入ってからの累計上昇幅は99.6%に達して2倍になり、BBA(ベンツ、BMW、アウディ)を追い抜き、トヨタに次ぐ時価総額世界2位の自動車メーカーになった。スペースXの発展の見通しについて、将来的には同社の価値はテスラを超えると業界ではみられている。
スペースXもテスラも、マスク氏が最大の株主であり、スペースXの約54%、テスラの20%超の株式を保有する。
スペースXは18年に初めて世界一のペイロード(最大積載量)のロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げに成功し、グローバル商用打ち上げ市場に参入した。米連邦航空局(FAA)がまとめた統計では、「スペースXがグローバル商用ロケット打ち上げ市場に占めるシェアは13年の13%から、18年は52%に上昇した」という。
スペースXは設立から10数年の時間で、ロケット打ち上げのコストを大幅に低下させ、現在では「ファルコン9」の打ち上げコストは主要ライバルである「アリアン5」のわずか30%だ。スペースXの「スターリンク計画」では、2-3週間に60基のペースで衛星の打ち上げを予定しており、年内に世界最大の衛星インターネットサービス運営企業になる見込みだ。
米ゴールドマン・サックスの推定によると、00年以来、新たに設立した宇宙ベンチャー企業に133億ドルが投資された。モルガン・スタンレーは、「40年頃には、『宇宙工業』の生産額は1兆ドルを超えるだろう」との見方を示している。
スペースXの商業的成功を受けて、ブルーオリジン(アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が投資した会社)を含む世界のベンチャー企業が商用ロケット市場に進出した。中国でも藍箭航天、星際栄耀、零壹空間、深藍航天など優れた民間ロケットメーカーが次々誕生した。
このうち、星際栄耀のロケット「双曲線1号」は軌道への投入に成功し、藍箭航天の推進力80トン級エンジン「天鵲」は、推力100%で100秒間のテストに成功した。急速に発展する中国の低軌道小型衛星とナノ衛星の市場が、こうした企業の最初のブルーオーシャンになる可能性が高い。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月1日