
(資料写真)
米国現地時間の11日、このところ相次ぎ過去最高を更新していた米株式市場が「暗黒の木曜日」を迎えた。3大株価指数は軒並み大幅下落して取引を終え、ダウ平均は1861.82ドル(1ドルは約106.8円)安となった。株価下落に直面して、トランプ大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)に対して、「FRBはいつも誤りを犯す」と批判した。中国新聞網アプリが伝えた。
FRB予測「2020年米国経済はマイナス6.5%」
状況を整理してみると、多くのアナリストが、「市場が公衆衛生上の緊急事態の第2波を懸念すると同時に、FRBが経済の見通しに悲観的な見方をしているのが、米株急落の主要因」との見方をしていることが分かる。
FRBは10日発表した最新の経済見通しの中で、20年の米国経済成長率はマイナス6.5%になると予想した。FRBのパウエル議長は、「今年第2四半期に、米国の実質国内総生産(GDP)の減少はこれまでで最も深刻な水準になる可能性がある」と述べた。
オーストラリアの金融サービス企業Axicorpのグローバルチーフマーケットストラテジストのスティーブン・イネス氏は、「短期売買とファスト・マネーの取引担当者は、何らかの悲観的なデータによる暗示があれば直ちに投げ売りするか、わずかでも利益が出ればよしとする傾向が非常に強い」と述べた。
また米国で人種差別への抗議デモが続いていることから、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は10日、「抗議デモにより新型コロナウイルス感染症の患者が増加する恐れがある」と警告した。
ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、北京時間の12日午前7時33分現在、米国の新型コロナウイルス感染による肺炎患者は201万8875人で、死者は11万3774人となっている。
米国各地で感染対策のための制限措置が徐々に緩和され、ディズニーランドは7月から段階的に営業を再開する計画だ。しかし大勢の人が集まることで感染症が爆発的に広がることを懸念して、カリフォルニア州の衛生担当者は10日、「今年はコーチェラ・フェスティバル、ステージコーチ・フェスティバルを中止する」と発表。また8月に予定されていたアイオワ・ステート・フェアも、第二次世界対戦以降で初めて中止になった。
米メディアの報道では、テキサス州で10日に新たに2504人の患者が確認され、1日の患者数の最多を記録した。今週フロリダ州で確認された患者は8553人で、1週間の患者数の最多を更新した。カリフォルニア州は入院患者数が5月13日以降で最多になり、過去10日間のうち増加した日が9日に上った。
しかし米メディアのCNBの報道によると、米財務省のムニューシン長官は11日、「新型肺炎の患者が再び激増しても、米国は経済を止めるべきではない。経済を止めればより多くの損害が出る。経済の損害だけでなく、これまで手つかずだったことで顕在化した医療問題もある。私たちは再び経済活動を閉鎖してはならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月12日
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