このほど、日本のみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などのメガバンクと、JR東日本、NTTなどの大手企業10社が、デジタル通貨についての協議会を立ち上げた。キャッシュレス決済の拡大が直面する課題を整理し、デジタル通貨の相互利用の問題を検討し、デジタル通貨の実現を推進することが狙いだ。また日本の金融庁、経済産業省、財務省などの政府機関と日本銀行(中央銀行)もオブザーバーとして参加する。
現在、日本国内には交通系ICカード「Suica」を代表とする電子決済、「LINE Pay」を代表とするスマートフォン決済(スマホ決済)、みずほフィナンシャルグループと協力パートナーが打ち出す「J-Coin Pay」を代表とするデジタル決済手段があり、同協議会はこうしたサービスの相互利用の問題について議論する。共通認識に到達すれば、日本の人々が電子決済をより便利に利用できるよう後押しするとともに、デジタル通貨の利用範囲などについて深く掘り下げることになると期待される。
しかし日本国民の現金に対するニーズは根強い。多くの日本人が、自然災害が多発する日本では電気と通信が止まる可能性があり、そうなると現金しか使えなくなると考える。そこで、日銀は現段階ではデジタル円の早期導入には慎重な態度を崩していない。日銀によると、「今はまだデジタル通貨発行の計画はないが、欧州の中央銀行などと共同研究は進めている」という。
同協議会の代表を務める日銀決済機構局の山岡浩巳前局長は、「デジタル通貨の推進プロセスに存在するいくつかの問題に対して、民間主体で研究することで問題の克服がより容易になる。日本に最も適したデジタル通貨の推進方法を検討し、ブロックチェーン技術を十分に活用する。多くの国の中央銀行がまだデジタル通貨を発行していないが、これは技術障壁があるからというよりも、デジタル通貨が金融システムと金融政策に与えるかもしれない影響が十分に解決されていないからだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月8日