黄さんは、「捏海人」になって約40年になり、その頭には海の生物に関する「データバンク」あって、「300種類以上の海の生物を作ることができるが、最も熟知している160種類は私の『心』に刻まれている。一番難しいのはワニ。みんなよく知っている動物なので、よりリアルに作らなければならない」と語る。
また、「媽祖に奉納するしんこ細工の魚介類は、自然と調和を保つという中国の生態をめぐる思想が詰まっている」と話す。
媽祖生誕の日である旧暦3月23日前後になると、海王が海の生物全てを携えて▲洲島の周りを巡り、媽祖と謁見すると言われており、同島の伝統では、海の生物の邪魔をしないようにと、その時期になると漁をしたり、釣りをしたりすることが禁じられる。
そして、禁漁期間中、供物として海の生物のしんこ細工が並べられる。「実際のところ、この時期は魚の群れが▲洲島の周りの浅瀬にやって来て、排卵する時期に当たる。漁民たちが『神様』の力を借りて禁漁を行うのは、実は生態資源を保護するための、海洋文化の知恵だ」と説明する。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月16日