6月13日、北京市は新たに新型コロナウイルス感染者が4人確認されたことを明らかにした。感染者の行動歴をみるといずれも新発地農産品卸売市場に関わりがあった。また新発地市場の従業員と環境からも、PCR検査で新型コロナウイルスが検出された。人民網が伝えた。
中国疾病予防管理センターの感染症学首席専門家の呉尊友氏は、「新型コロナウイルスへの対応は戦争のようなもので、1分1秒もおろそかにはできない。ウイルスが拡散する前に制圧できれば、主導権を握ることができる。湖北省以外の省・自治区・直轄市の場合、これまでに1ヶ所でも欧州のような状況が発生しなかったのはなぜか。そのカギは、湖北省からやって来た人々がそれぞれの地元に戻った後、直ちにこうした人々の状況を把握し、我々から主体的に連絡を取ったことにある。彼らの圧倒的多数は、症状が出る前にすでに隔離されて医学的観察を受けており、症状が出れば直ちに治療が行われ、彼らを一般社会に長くとどまらせず、発病してから病院に行くようなことはさせず、これらの湖北からの感染者が省内で感染を拡散させる隙も与えなかった。つまり時間との戦いだった」と振り返った。
また呉氏は、「戦いはスピードが大切で、感染源をできるだけ早く確定し、濃厚接触者をしらみつぶしに調べ、二次感染を防ぐことが目下の重点であり、北京の反応スピードはすでにかなり速い。ばらばらのいくつかの症例を、これほど短時間で分析し、新発地卸売市場を特定した。過去数ヶ月間にわたる対策の経験により、とりわけビッグデータなどの技術的手段の運用の経験により、我々は素速く正しい方向を指し示すことができた。方向が確定した後には、すぐに人と環境を検査し、またさらに方向性をもった情報を迅速に把握した。こうした重要な情報は、北京の感染症対策に重大な意義があるだけでなく、新型コロナウイルス流行の謎を解く上でも新たな価値ある情報を提供できるかもしれない。私は北京の感染症対策を十分に信頼している。当然ながら今後続いていく作業はなお難しく、努力し続けていかねばならない。濃厚接触者の数も非常に多く、少しでも不注意や漏れがあれば、ウイルス拡散のリスクにつながる。そのため大勢の人を投入して濃厚接触者の捜索・調査を行わなければならない。同時に実験室は検査分析を迅速に行って、感染症対策のための政策決定により多くの根拠を提供しなければならない」と指摘した。
呉氏は、「これまでにわかっている情報から考えて、今回の北京での感染状況のぶり返しは、主に新発地市場の周辺に集中している。新発地で働く従業員とのその家族、濃厚接触者、診察を行っている病院の医療従事者、同時期に病院で診察を受けた感染者など、PCR検査の範囲をここまで広げれば精度が高くなる。目下ウイルスの活動範囲は北京市全体には拡散しておらず、市全体の2千万人を超える市民に脅威を与えてはいない」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月16日