中国製造業は緩やかに回復 PPI低下幅も縮小して−3%に

人民網日本語版 2020年07月13日11:05

中国国内の製造業が緩やかに回復し、全国の生産者物価指数(PPI)も前年同期と比べて、低下率が底を打って回復し始めた。国家統計局が9日に発表したデータでは、6月の全国PPIは前年同期比3.0%低下し、前月比では0.4%上昇した。今年になってPPIが上昇したのは初めてのことだ。業界では、「国内でさまざまな政策が実施され効果を上げてインフラ建設や製造業ニーズの回復をもたらしたこと、各国が相次いで経済活動を再開したこと、国際市場でコモディティ価格が回復上昇したことが背景にある。しかし年内にPPIが緩やかな回復を保とうとしても、コモディティ価格にはまだ大幅上昇する土台が備わっていない」との見方が広がる。「北京商報」が伝えた。

同局都市社会経済調査司の董莉娟シニア・アクチュアリーは、「試算によると、6月の前年同期比3.0%の低下幅のうち、昨年の価格変動の残存効果がマイナス0.2ポイントほど、新たな価格上昇の影響はマイナス2.8ポイントほどだ」と述べた。

6月には国際市場のコモディティ価格が回復し、中国国内に製造業も緩やかに回復し、市場ニーズは改善を続けた。前月比でみると、PPIは低下から上昇に転じた。このうち生産資材価格は0.5%低下から0.5%上昇に、生活資材価格は0.3%低下から0.1%上昇に転じた。

このほど発表された製造業購買担当者景気指数(PMI)も、製造業の基本的側面の緩やかな改善を証明した。このうち、受注指数は上昇し、生産サイドは2ヶ月続いた低下局面を終わらせ、産業チェーンの川上の原材料購入価格指数は56.8%、出荷価格指数は52.4%で、どちらも今年最高だった。

6月の高頻度データをみると、原油、含鉄金属、非鉄金属、石炭などの工業製品価格は軒並み上昇した。財信国際経済研究院の伍超明副院長は、「現在の工業製品出荷価格をみると、最悪の時期はすでに過ぎ去り、工業製品価格は段階的な回復が期待される」と述べた。

伍氏は続けて、「現在、中国国内では他国に先駆けて経済活動再開が完了し、6月上旬の全国のあらゆる基準での発電量が前年同期比9.1%増加した。同時に、ショベルカーと大型トラックの売り上げが2ヶ月連続で60%以上増加し、ここからインフラプロジェクトが加速的に推進され、含鉄金属と非鉄金属などの工業製品に対するニーズを力強く支えたことがわかる。第2四半期(4-6月)以降、米国・欧州・日本などの先進エコノミーも相次いで経済活動を再開し、需要が徐々に回復したことも中国のPPI上昇を後押しした」と述べた。

伍氏の予測では、「下半期に工業製品の価格は低い角度での緩やかな回復を維持し、通年のPPI上昇率はマイナス2.0%前後になり、残存効果は0.2ポイント低下して19年の0.2%から0.0%になる。下半期にはニーズが回復し、とりわけインフラ建設ニーズと不動産投資ニーズが発揮されて、中国の工業製品価格を支えることになる。グローバル経済の最悪のタイミングはすでに過ぎ去り、国際市場のコモディティ価格は底を打ったが、新型コロナウイルス感染症がもたらした産出量ギャップは永久消失し、感染症の第2波が訪れるリスクは高く、コモディティ価格は引き続き大幅上昇の土台が備わっていない」という。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年7月13日

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