2020年の中国大学統一入学試験が7日に幕を開けた。これまでずっと、大学入試をめぐって学習指導やコンサルティング、ホテル、外食、デジタル、旅行、娯楽などの各業界にわたって盛んに消費が行われ、独特の「大学受験経済」の市場が形成されてきた。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、試験の時期が1ヶ月遅れ、「大学受験消費」の訪れも例年より遅かったものの、受験生とその家族の消費意欲は例年に少しも引けを取らない。
試験前:周辺商品が便乗して人気に
7日午前11時50分頃、張さんは「逢考必過(試験に必ず合格)」と書かれた赤い試験用「勝負服」を着て、南京市第十三中学(中高一貫校)の試験場から出てきた。「作文の問題がちょっと難しかったけれど、力を尽くした」と話し、疲れた様子の中にもほっとした気持ちをのぞかせた。
張さんは、手に持ったペンケースに入っている「錦繍前程(前途洋々)」や「金榜題名(合格)」などと刻印されたサインペン、「君は一人で戦っているんじゃない」とプリントされた消しゴムを見て、にっこり笑った。試験前にクラスの仲良し達と一緒にネットでこうした試験グッズを買って、自分に心理的な暗示をかけたのだという。
ここ数年、チャイナドレスを着た母親と馬掛(腰までの短い長袖の上着)を着た父親が、大学入試の試験場外の風物詩になっている。特に試験まであと少しという時期になると、受験ムードを盛り上げるグッズが飛ぶように売れる。「がんばれ」とプリントされたTシャツ、合格祈願のブレスレット、「逢考必過」がテーマの福袋などがあり、こうしたグッズには合格を願う思いが託され、保護者と受験生にとても人気がある。
業界関係者によると、大学受験は各方面が注目する話題で、関連グッズと関連サービスが便乗して人気を集めると同時に、文化産業の発展も牽引することができるという。たとえばクリエイティブグッズには知識と文化を伝える役割が求められ、南京の科挙文化の奥深さを深く探りつつ、今人気があるものと結びつけることができれば、その商品は市場でより高い人気を得られるという。