中国で今年夏話題の無糖ドリンク 専門家「無糖でも飲み過ぎはダメ」

人民網日本語版 2020年07月28日11:18

中国では今年の夏、ドリンク市場の主役の座に変化が起きている。コンビニのドリンクコーナーを見てみると、これまで人気を集めていたドリンク界の「ドン」だったコーラやスプライト、アイスティーなどに代わって、バラエティに富み、パッケージの「顔面偏差値」の高いスパークリング・ウォーターや高タンパク質ドリンク、お茶などが主役の座を奪っていることに気付くだろう。そして、コーラを買う人も、「無糖」を選び、甘いお菓子を食べる時の罪悪感を少しでも減らそうとしている。北京青年報が報じた。

近年、中国でも糖分を控えたり、制限したりすることが話題となっている。世界保健機関(WHO)は糖分をできるだけ控えるよう、何度も注意を呼びかけている。それにより、糖分がもたらすマイナスの影響を少しでも軽減させるためだ。

中国では、2019年7月に、国家衛生健康委員会が、中国人の1日当たりの添加糖分(主に、蔗糖、白砂糖、赤砂糖など)摂取量は約30グラムと発表し、国務院弁公庁「国民栄養計画(2017—30年)」行動ガイドラインは、「食品生産経営者が蔗糖の代わりに、食品安全基準が使用を認めている天然甘味料や甘味料を使用することを奨励する」と強調している。

中商産業研究院の統計によると、現在、中国の消費者の80%が食品・ドリンクの成分、特に、飲料に含まれている糖分の割合に注目している。うち、スパークリング・ウォーターの人気度が目に見えて上昇し、無糖、微糖系のドリンクが人気となってきている。

各大手ドリンク企業は、続々とモデル転換を実施して新商品を打ち出し、新たな市場環境において布石を打っている。2019年、「微糖」、「無糖」の商品を打ち出したペプシコーラの売上高は前年比3.9%増の671億6100万ドル(1ドルは約105.5円)に達した。コカ・コーラやペプシコーラなどの大手企業の牽引の下、糖分を控えた健康志向が中国国内のドリンク市場でトレンドとなってきている。

「脂肪を落とす」とうたったお茶も中国で大人気となっている。日本の茶製品メーカー・伊藤園が打ち出している無糖の烏龍茶や緑茶、麦茶なども人気となっており、2年連続で売上高が激増し、2019年は前年比で22%増となった。サントリーの無糖黒烏龍茶や中国国内の農夫山泉の「東方樹葉」シリーズも大ヒット商品となっており、夏には特に若者の間で人気となっている。

今年の炭酸飲料市場では、「元気森林(GENKI FOREST)」のようなダークホース、新たに市場に登場した商品が激戦を繰り広げ、そこに、「健力宝」、「ペプシコーラ」などの老舗メーカーも参戦している。調査によると、それら無糖ドリンクは、含まれている糖分がほぼゼロ、または非常に少なく、それでも甘みがあるのは、エリトリトールやスクラロースなどが加えられているからで、これらの甘味料はカロリーが生じない。

ただ、専門家は、「全ての甘味料は脳をだますのがその原理で、脳は甘味のシグナルを受け取った後、血糖値が上昇していないことに気付くと、甘いものを食べたいという欲求を強くする。また、子供の場合、ドリンクを飲みすぎると、食欲に影響を与え、体の成長や発育にも影響が出る」と注意を呼び掛けている。そのため、無糖ドリンクだからといって、好きなだけ飲んでもいいというわけではなく、本当に太りたくない場合は、「口」をしっかりとコントロールしなければならない。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月28日

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