ダイエットをしようとする人がまずやることはお腹を空かせること。そしてお腹をどんどん空かせていけば胃も小さくなっていくと考えている人は少なくない。科普中国が報じた。
確かに、食べる量が多いと、胃が大きくなり、食べる量もどんどん増え、食事の回数を減らすと、食べる量が減って、少し食べただけで、お腹がいっぱいになると感じている人も多いだろう。
胃は本当に風船のように大きくなったり小さくなったりするのか?
胃は、複数の層の筋肉からなる、食べ物を一時的に蓄えて消化する臓器で、空腹のときは軽度に収縮した状態となる。胃の外側の層の筋肉は伸縮性が強く、何かを食べると、その量に合わせて、蓄えて消化するスペースを作る。
通常、空腹時の胃の容積は約50-100ミリリットルで、通常の食事の後は、1200-1600ミリリットル、最大で2000ミリリットルまで膨らむ。つまり、食後は、空腹時の約20倍まで膨らむことになる。
食事制限を続けると胃は小さくなるか?
しかし、胃に伸縮性があるからといって、お腹いっぱい食べれば大きくなっていき、お腹を空かせれば小さくなっていくというわけではない。
食べ物を消化して空になると、胃は空腹時の形にまで縮む。
まず、食べる量が少なくなったと感じる時は、胃が小さくなったからではなく、脳が指令を出し、満腹中枢が刺激を受けて抑制されるからだ。
次に、食欲があるかないかは、単に胃の容積で決まるものではなく、食べる量は、胃腸と大脳皮質の間の神経の調整具合によって決まる。
たくさん食べると、胃は一時的に大きくなるだけで、消化して空になると、胃はまた元の状態に戻る。胃は伸縮性があり、食べる量に合わせて伸びるだけで、その容積は基本的に変化しないのだ。
つまり、胃は食べる量が多いと、大きくなっていき、食事制限をすると小さくなっていくということはない。