越境ECも中国の輸出に「減震装置」を提供した。公式の統計によると、今年上半期の中国税関の越境EC監督管理プラットフォームの輸出入は26.2%増加し、このうち輸出は28.7%増加し、輸入は24.4%増加し、同期の中国の輸出入全体の増加率を大きく上回った。
中国の輸出は業績改善を続けたが、まだ枕を高くして寝られる状況ではない。
感染症は今なお世界的に大流行しており、多くの国の経済に深刻な打撃を与えている。主要エコノミーが相次いで発表した第2四半期(4-6月)のデータをみると、感染症は企業の生産・経営、雇用、消費者心理など経済活動のあらゆる方面に著しく影響を与え、低迷から抜け出すのに必要な時間は予想を遙かに超えて長くなる可能性がある。
これはつまり、外需が勢いを回復するには、長い時間が必要になるかもしれないということだ。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の崔暁敏補佐研究員は、「中国のこれからの輸出は『将来の心配』が『目先の心配』を上回る。一方で、感染症がもたらす不確実性と需要の落ち込みが引き起こした企業の投資意欲の低下、バランスシートの悪化が、外部需要の回復プロセスを制約することになる。また一方で、同類国家が感染症のピークを越えて、徐々に経済活動を回復するにつれ、中国が果たしていた他国の輸出を代替する役割、中国の輸出市場シェアが正常な状態に戻っていき、ひいては輸出全体の伸びに対する支えが弱くなる」との見方を示した。
このほか最近の人民元の米ドルに対するレート上昇、一国主義と保護主義の台頭も輸出にとって障害になるとみられる。
張氏は、「今後、中国の対外貿易が直面する情勢はさらに厳しく複雑なものになり、国際経済貿易の局面も深いレベルで調整が行われるようになり、対外貿易の見通しには依然として不確実性が存在する」と率直に指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月9日