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商務部(省)の関係機関が15日に発表した報告書「中国対外貿易情勢報告(2020年春季)」によると、2020年には中国の対外貿易が受ける挑戦と圧力が目に見えて増大するが、通年の対外貿易の基本的安定には着実な基礎が備わっているという。中国新聞社が伝えた。
同報告書によれば、「現在、海外では新型コロナウイルス感染症の拡散・蔓延状況がまだ効果的に抑制されておらず、世界の感染症情勢と経済貿易情勢は不確実性が大きく、20年全体の中国の対外貿易は下ぶれ圧力が増大する。総合的に判断すると、中・短期的には中国対外貿易は引き続き圧力に耐えつつ発展する」という。
同報告書は、「現在、感染症が中国の対外貿易に与える影響は供給側を中心とした影響から需要側を中心とした影響へと変化した。中国の貿易パートナーのほぼ全てで感染症が発生し、国際市場のニーズは深刻な落ち込みをみせ、対外貿易企業は注文のキャンセルや延期、新規受注の獲得が困難といった問題に直面している。産業チェーンとサプライチェーンが分断され、一部の輸入原材料、重要設備と部品は供給が困難になり、価格が上昇を続けている。国際輸送の遅延、物流コストの増加、ビジネス交渉の困難さなども企業の契約履行や注文獲得をさらに難しくしている」と指摘した。
公式のデータによれば、今年1-5月の中国の輸出入額は前期比4.9%減少し、このうち輸出額は4.7%減少、輸入額は5.2%減少した。
同報告書は、「短期的にみると中国の対外貿易発展が直面するリスクと挑戦はかつてないほど大きなものだが、長期的にみれば中国対外貿易は引き続き強靱性が強く、ポテンシャルが豊富で、競争力が高い」との見方を示した。
中国は最近、対外貿易安定のための一連の措置を打ち出した。たとえば対外貿易への貸出の増加、企業の資金需要への対応、オンライン展示会の開催の奨励、越境ECの発展加速、企業の関係国における、特に重点市場における高品質の海外倉庫の建設奨励、国際マーケティングネットワークシステムの整備などだ。
同報告書は、「今後は対外貿易の基本的安定に全力を注ぎ、対外貿易の安定促進と質向上を推進する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月16日