中国のインターネット機関である中国ネット視聴番組サービス協会(CNSA)は12日、四川省成都市で、「2020中国ネット視聴発展研究報告(以下、報告)」を発表した。報告は中国のネット視聴のユーザーや産業の規模を初めて明らかにしている。これによると今年6月の時点で、中国のネット視聴ユーザーの規模は9億100万人で、2019年における同産業の規模は4541億3000万元(1元は約15.6円)に達した。人民網が報じた。
報告によると、今年6月の時点で、中国のネット視聴ユーザーの規模は9億100万人と、3月に比べて4380万人増加した。ネットユーザーの使用率は95.8%に達している。細分化された各分野を見ると、ショート動画のユーザー使用率が最高で87.0%、ユーザーの規模は8億1800万人に達した。総合動画のユーザー使用率は77.1%で、ユーザーの規模は7億2400万人、オンラインライブ配信の使用率は59.8%で、ユーザーの規模は5億6200万人だった。オンラインオーディオのユーザー使用率は29.3%とやや低く、ユーザーの規模は2億7500万人となっている。
その他、ネット視聴アプリが、新ネットユーザーを呼び込む主な力となっている。今年3-6月期、新規ネットユーザー3625万人のうち、23.9%がネット視聴アプリを利用するためにインターネットを始めた。新規ネット視聴ユーザーは主に、三・四・五線都市のユーザーとなっており、五線都市が33.6%、三線都市が19.5%、四線都市が19.1%を占めた。
ショート動画の市場規模が急速に拡大 業界の構造の変化を促進
2018年下半期、ショート動画アプリの1日当たりの使用時間が、総合動画アプリを超え、ネット視聴アプリの分野でトップに立った。報告によると、ショート動画はすでにユーザーが時間つぶしをするためのベストアイテムとなっている。2020年6月の時点で、ショート動画の1日当たりの平均使用時間は110分に達し、インスタントメッセージを上回った。ネット視聴産業において、ショート動画の市場規模が占める割合が最高で、前年同期比178.8%増の1302億4000万元に達した。
ショート動画は、EC、ライブ配信、教育など、さまざまな分野に浸透しており、その影響力は拡大を続けている。そして、ネット視聴業界の構造の変化を促進している。
2020年6月の時点で、中国のオンラインライブ配信のユーザーの規模は5億6200万人で、うちECのライブ配信ユーザーの規模が3億900万人と、今年成長が最も速いインターネットアプリとなっている。ユーザーの15.7%は、「オンライン動画やライブ配信を見て商品を買ったことがある」と答え、うち半数以上が500元以上を消費していた。
市場の構造を見ると、総合動画とショート動画プラットフォームが「2強」の戦いを繰り広げている。報告によると、三大総合動画プラットフォームの愛奇芸、騰訊視頻、優酷視頻のユーザー浸透率が79.1%と、他を突き放して「3強」の構造となっている。ショート動画プラットフォームを見ると、ユーザー浸透率、ユーザーの好感度、いずれの面でも、抖音(Tik Tok)と快手が「2強」の戦いを繰り広げている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年10月14日