南開大学(天津市)の学生は2020年の年初、冬休みの帰省期間中に天津市、北京市、河北省、広東省、甘粛省などでオンライン・オフライン生態環境保護リサーチを行った。農村部の建て直しされた住宅が割安な内装工事により、ホルムアルデヒドなどの汚染物質の濃度が基準を大幅に上回る問題に気づいた。そこで大学生たちは「ホルムアルデヒドをなくそう」と名付けた創業チームを作り、「環境保護+貧困者支援」という町の建て直し住宅からホルムアルデヒドを除去する計画を立てた。同チームはこのほど第12回「チャレンジカップ」中国大学生創業計画大会で銀賞を受賞した。中国青年報が伝えた。
「ホルムアルデヒドをなくそう」創業チームの10人の中心メンバーは、それぞれ化学、商学、法学、管理学、薬学など異なる専攻から来ている。メンバーの劉穎琪さんは「チームが市場調査を行ったところ、多くの人は念の為ホルムアルデヒド除去製品やサービスを利用するだけで、対策の最終的な効果を調べようとする人はごく少数であることが分かった。現在のホルムアルデヒド対策市場は参入のハードルが低く、消費者は対策を重視し効果を軽視することが多い」と述べた。メンバーの張文慧さんは例を挙げ、「活性炭を置けばホルムアルデヒドを除去できると考える人が多いが、本当に効果を発揮するためには各部屋に数十キロ置かなければならない」と述べた。
化学学院の李偉教授と朱宝林准教授の指導を受け、チームは複合アミノ酸ナノ分子噴射剤、水溶性合成樹脂、炭素・窒素・フッ素混合ナノ二酸化チタン噴射剤などの、新型ホルムアルデヒド等汚染物質分解薬剤を開発した。複合アミノ酸ナノ分子を先導噴射剤とすることで、室内のホルムアルデヒド濃度をスピーディで安定的に下げることができる。炭素・窒素・フッ素混合ナノ二酸化チタン噴射剤は、可視光の効果的な利用を実現する。
「現在人気の光触媒噴射剤による対策と比べると、我々のソリューションはホルムアルデヒドの分解率を93%まで上げることができる。ホルムアルデヒドを浄化するだけでなく、ベンゼン系やその他の揮発性有機物を分解できる。効率が上がり、コストが大きく下がった」。佟淼さんによると、彼らの製品とサービスはすでに一部のECプラットフォームで試験的に提供開始されている。天津市では、南開区、河西区、西青区、浜海新区など多くの家庭においてホルムアルデヒドなどの室内汚染物質の対策を行っている。「権威ある機関の検査報告書に基づき、我々は2日間で115平方メートルの住宅のホルムアルデヒドを除去した。一次検査のホルムアルデヒドの濃度は1立方メートルあたり0.29ミリグラムで、基準値の2.625倍だった。再検査では0.02ミリグラムしかなく、国の上限値(0.08ミリグラム)の4分の1に過ぎなかった」と佟さん。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年1月26日