楡林現代農業科技モデル区は陝西省楡林市楡陽区にある。ジャガイモと「楡陽湖羊」は楡陽区の2つの大規模な産業をなしている。昨年10月には、同モデル区と阿里巴巴(アリババ)グループのクラウドサービス「阿里雲(Aliyun)」が協力関係を締結した。ハイテクのデジタル農場6ヶ所を建設するほか、「デジタル農業産業サービスプラットフォーム」も構築して、生産、貯蔵、物流、販売などすべての段階をカバーするスマートサービスを提供し、デジタル技術によって農家が収入を増やし豊かになるよう支援するとしている。
これまでは羊の数を数えるのが非常に難しい問題だった。養殖農家が4万匹の羊を確認するのに、およそ5日間から7日間かかっていた。それが今では、阿里雲が開発した「大柵・通路点検AIアルゴリズム」を利用し、羊舎の適切な高さ、角度の場所に設置されたビデオカメラを通じて、わずか8時間で4万匹を自動的に確認できるようになった。
中核となる種羊の選別は、羊群の質を保証する鍵となる要素の1つだ。飼育員は1万匹のオスの中から中核となる50匹を選び出し、中核となるメスの羊500匹と交配を行わせ、羊群が「よい羊を産みよい羊を育てる」ようにする必要がある。以前は、種羊の選別は完全に経験に頼っていたが、今は羊の各段階の成長指標や性能の測定結果を記録して、中核の種羊の正確なデータバンクと羊の血統の整ったデータバンクを構築することが可能になった。交配期にはAIアルゴリズムを利用して最も交配に適した種羊を速やかに選別して繁殖を行わせ、近親交配を効果的に回避し、後の世代の羊たちの健康の後ろ盾となることができるようになった。
陝西上河実業集団有限責任公司の劉双成副社長は、「AI羊養殖技術を導入後、現地の湖羊の成長がより科学的になり、羊肉の品質がより向上し、合作社による湖羊1匹あたりの買い取り価格は以前より100-200元(1元は約16.7円)増える見込みだ。楡林の各郷鎮総社もこの技術の導入を計画しており、すべての農民が新技術を利用して、豊かになるようにしていくという」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月11日