図・「微信遺言書」を作成した人々の年齢別割合
これまでの伝統的な観念では、「死」や遺言の話題は避けた方がいいと考える人が多かったが、今では様子が変わってきた。中国新聞網アプリが伝えた。
このほど発表されたデータによると、2020年末時点で、中華遺嘱庫(遺言データバンク)で遺言書を作成した90後(1990年代生まれ)は553人おり、「00後」(2000年代生まれ)もいるといい、これに関連する話題が検索件数の上位に入った。中には、「これは人々の死生観が変化しつつあることの表れ」と考える人もいる。
このほど発表された「遺言データバンク白書2020」によると、人々が遺言書をより受け入れるようになり、若いうちに遺言書を作成して資産プランをしっかり立てようとする若者がますます増えているという。
こんなデータもある。17年から20年までの4年間に、80後(1980年代生まれ)で遺言書を作成した人が7倍近く増えた。20年末時点で同バンクで遺言書を作成した90後は553人に達した。
80後に比べ、90後の遺言書にはよりバラエティに富んだ資産が含まれている。90後が資産配分に関して遺言書に記載した内容を見ると、81.61%が銀行預金を、71.54%が不動産を記載していた。
20年12月31日現在、同バンクで遺言書を作成した人の最年少は17歳だった。こうしたデータが明らかになると、「00後が遺言書を作成し始めた」、「若者の遺言書作成をどう考えたらよいか」といった話題が相次いで人気検索ワードの上位に入った。
中華遺嘱庫管理委員会の陳凱会長(弁護士)は、「90後の遺言書が増えている流れから考えて、これからますます多くの90後が遺言書の作成を受け入れ、希望するようになるだろう。2020年には00後も遺言書を作り始めており、ここから遺言書が特定の年齢層の『専売特許』ではなくなったことがわかる」と述べた。
若者に遺言書は必要?
一方で、「若者が遺言書を作るということがあまりよく理解できない。誰が作るにしろ、遺言書はそんなに急ぐものではないし、思いがけないことが起きる可能性は低い。とりわけ若くて健康な人であれば、さらに必要がない」と考える人がいる。
他方で、「遺言書は若者が今を生き、将来を計画する1つの方法であり、若者に死を直視する勇気があること、そして人生の不確実性への備えの意識があることを明確に示すものだ」という見方もある。」
陳氏は、「遺言書を作成していなければ、相続人の間で誤解や疑念が生じてトラブルになる可能性がある。トラブルがなくても、相続人の範囲がはっきり書かれていなければ、家族の今後の相続手続きが大変になる可能性もある」と分析した。
また資産リストを明記していなければ、家族が預金や資産運用商品などを見つけられない可能性が高い。陳氏は遺言書作成のニーズを「浮遊する灰の下にそびえる火山のようなもの」と形容する。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月25日