中国の家庭に単身化の傾向 AIも「おひとり様経済」参入

人民網日本語版 2021年04月20日13:03

中国にはすでに2億人を超える単身者がいる。単身者の増加傾向は家庭の構造を変化させ、単身者層に独特の消費スタイルや消費文化も生み出した。しかし「おひとり様経済」繁栄の背後には、多くの隠れた問題も存在する。中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが伝えた。

河南省信陽市の「00後」(2000年代生まれ)若者の朱河存さんは、ネットで自分の店を開き、顧客が自分の計画を達成するのを「監督する」のが毎日の仕事だ。連日、目覚まし時計を15個セットし、一人暮らしや自分を律することの苦手な若者の顧客に向けて、微信(WeChat)や電話を通じて勉強やトレーニング、仕事の時間が来たことを絶え間なく知らせる。

独居人口の増加に伴い、中国の家庭にも単身化の流れが見られるようになった。データによれば、2015年から、1人世帯の割合が年々増加して、18年は16.69%に達したという。

蘇寧金融研究院マクロ経済研究センターの陶金副センター長は、「私たちは今、第4次単身ブームから第5次単身ブームへ移ろうとする節目の時にいる。第4次単身ブームは、男女比のアンバランスと若年人口の減少による部分が多かった。そして数年がたち、こうした若者はより高い教育を受けるようになり、所得水準が上昇を続け、考え方の多くが変化すれば、第5次単身ブームに突入するとみられる。『おひとり様経済』がもたらしたものは新たなビジネスチャンスの誕生だ」と述べた。

「おひとり様用の食事」への気配りの行き届いたサービスから、個人のオーダーメイド旅行、小型キッチンツール、さらには1人で撮る「ブライダルフォト」まで、単身ブームは実は生活のあらゆる面に見られるようになった。

人工知能(AI)も「おひとり様経済」に参入した。研究機関がまとめた統計では、19年にAIによる「おしゃべり機能」が売りになったスマートスピーカー市場が爆発的な発展を遂げ、全国の出荷量は前年比109.7%増の4589万台に達した。

投資サービスの巨豊投資の首席投資顧問である張翠霞氏は、「一個人にとってみれば、単身を選択した状況の中で、社会の単位が全体としてますます小さくなる。ここから生まれた消費ニーズが、次の社会・経済変革の大事なポイントになることは間違いない」との見方を示した。

「おひとり様経済」の拡大は消費市場を豊富にしたものの、単身者層の増加は人口学者の懸念も呼び起こした。データによると、中国の結婚登録カップル数は13年に1347万組という歴史的な高水準に達した後は低下を続け、20年には813万組まで減少した。その一方で、上昇を続けるのは離婚率で、離婚登録カップル数は1987年の58万組から20年は373万組に増えた。婚姻率の低下と離婚率の上昇とのダブルの影響の下、出生率は年々低下している。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年4月20日

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