中国国務院共同対策メカニズムが20日に開いた記者会見で、中国国家衛生健康委員会の米鋒報道官は、「最近、各地の人々が非常に積極的に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けており、今月19日の時点で、中国全土の接種数が累計で4億4951万1000回に達した。そのうち1億回以上がここ8日間の接種となっている」とした。人民網が各社の報道をまとめて報じた。
5月20日、貴州省貴陽市、貴州省人民病院ワクチン接種スポットでワクチン接種を受ける女性(撮影・瞿宏倫)。
中国のワクチンはインドで見つかった変異株にも有効か?
中国疾病予防管理センターの研究員・邵一鳴氏は、「中国の関連企業や研究機関がインドで見つかった変異株に対する研究を行ったところ、中国の現有のワクチンは、それにも有効で、保護作用を発揮することが分かった」と説明した。
そして、「ウイルスは絶えず変異を起こすもので、今後も変異する。現有のワクチンが効かない変異株が発生したとしても、中国の不活化ワクチンは、すぐにそれに対応する方法がある。投入側に変異株のウイルスを追加するだけでよく、全体の製法を変える必要は全くない。成分を調整して作られたワクチンは変異株にも有効な新しいワクチンということになる。全ての関連当局がしっかりと動きを追っており、現有のワクチンでは対応できない変異株が発見されれば、中国はすぐに新しいワクチンを投入できる」とした。
あるコミュニティの衛生サービスセンターで高齢男性に健康状態に関する質問をする医療従事者(資料写真、撮影・殷立勤)。
ワクチン接種率がどれくらいに達すれば、集団免疫獲得可能に?
邵氏は、「ある疫病の伝播を効果的に遮断するために、どれほどの割合の人が免疫を持っているべきかは、ウイルスや細菌の伝播能力が強いか、弱いかにかかっている。感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団に加わったとき、平均して何人に直接感染させるかを示す基本再生産数(R0)が、大きければ大きいほど、ウイルスの伝播能力が強いということになる。集団免疫獲得の接種率は(1-1/R0)x100%で算出できる。これに関しては、さまざまな統計があるものの、新型コロナウイルスのR0はおよそ3。それを基に計算すると、66%の人がワクチンを接種しなければ集団免疫を獲得できない。加えて、ワクチンの有効率は100%ではないことなどを総合的に考慮すると、約80-85%の人がワクチンを接種しなければ、集団免疫は獲得できない」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月21日