最近、ゆったり心を落ち着かせて読書をしたのはいつのことだろうか?中国のネット上で注目を集めているこの話題を見て、「いろんな理由が重なり、読書のための時間なんてほとんど取れていない」と、少しがっかりした気持ちになる人もいるだろう。中国新聞網が報じた。
「ネット小説なら夜通し読めるが、名著となるとパラパラとめくっただけでも、内容が全然頭に入って来なくなる。高校生の時のように、落ち着いた気持ちはもう完全になくなってしまった」という人もいれば、「できるだけたくさんの本を読むのはいいことと分かってはいるものの、なかなかストイックになれない」という人もいるだろう。
空いた時間はどこへ?
中国の第17回全国国民読書調査報告によると、2019年、成人の総合読書率は81.1%で、成人の紙媒体図書の年間平均読書量は4.65冊だった。
(資料提供・中国新聞出版研究院)。
「ショート動画を見たり、スマホをいじったりし始めると、止まらなくなり、いつの間にか時間が過ぎている」。 そう話す80後(1980年代生まれ)の李有さん(仮名)は、持っている本数冊もほこりをかぶっている状態になっていて、その悪い習慣がどうしても直せないため、仕方なくショート動画アプリを削除した。それでも、またインストールして、削除するということを3度も繰り返したという。
ゲーム、街へお出かけ、会食など、読書の時間がない理由はたくさんあるだろう。頭を働かせて、じっくり考える必要のある読書と比べると、他のレクリエーションはもっと気軽で、リラックスできると感じるものだ。
読書の足かせになる浮ついた気持ち
李さんのように、ほとんどの人は、読書の重要性を理解してはいるものの、誰もが1冊の本を最初から最後までゆっくり読める時間を取ることができるわけではない。
資料写真:世界読書デーだった4月23日、雲南省昆明市の地下鉄の中で、スマホで遊ぶ時間を減らし、本を読むように呼び掛ける読書フラッシュモブを行う約20人のボランティア(撮影・任東)。
あるネットユーザーは、「大学生になってから、1年と2年の時は図書館に行って本を借りて読み、夏休みや冬休みには本を数冊借りて帰省していた。でも、3年、4年になると、落ち着いて本を読むことはなくなってしまった。忙しいとはいっても、何をするのに忙しかったのかよく分からない。図書館に行って読書するよりも、寮のベッドに寝転んで、スマホで遊ぶほうがいいと感じていたような気がする」と振り返っている。
また、「買った本は積み上げるだけで、実店舗書店にも長らく行っていない。自分にとって、本はコレクションみたいなもので、欲しいけど、開いて読むことはほとんどない。自分たちの世代の人が変わってしまったのか、世界全体が変わってしまったのか、よく分からないけど」といった声を寄せる人もいる。
受け取る断片化された情報はどんどん増える一方、落ち着いて何かをする時間はどんどん減っている。中には、「無理やりにでも本を読もうとするものの、浮ついた気持ちを抑えることができない」と感じている人もいる。