7日に開かれた第1回長江デルタ国際緊急減災・救援博覧会で、複数の中国国産緊急救援新装備が初公開され、中国の国産緊急救援装備の体系的な発展の最新成果が展示された。新華網が伝えた。
■水上を超低空飛行する地面効果翼機「AG930」
中国航空工業集団特殊飛行器研究所が独自開発した5トン級地面効果翼機「AG930」は、固定翼機と高性能船舶の間に位置する新型水上高速輸送ツールで、時速180キロで迅速に救援現場に駆けつけることができる。0.5-3メートルの超低空でスムーズに目標を探しロックオンした後、速やかに降下し救援を行うことができ、1回の救援人数は8人。
5トン級地面効果翼機「AG930」。画像は航空工業集団が提供
航空機のスピードや快適性、そして船舶の安全性や信頼性を兼ね備えているAG930は、高速で準備時間が短く、安全性が高く経済的といった特長を持ち、海上救援や海事パトロールなど各種任務の需要を満たせる。
■緊急救援無人機の翼竜「3兄弟」
中国が独自に開発した大型無人機ブランド「翼竜」シリーズは広く知られているが、今回登場した翼竜一家の「3兄弟」も緊急救援体制で重要な役割を担っている。
「翼竜-2H」緊急災害救助型無人機システムは、中航(成都)無人機系統股フン有限公司(フンはにんべんに分)が「翼竜-2」無人機システムをベースとし、災害調査、緊急通信サポート、緊急輸送などの任務に向け開発した大型緊急災害救助型無人機システムだ。
同無人機システムは航続距離と滞空時間が長く、積載能力と環境への適応性が高いといった特長があり、道路が寸断され、電気が止まり、インターネットが利用できないといった過酷な条件下でも、マルチスペクトル災害現場調査を行い、共用・専用インターネット通信緊急構築、緊急物資輸送などの任務を実施するとともに、緊急指揮体制に融合することができ、中国の緊急災害救助保障の新たな力となる。
「翼竜-2H」気象型無人機システムは、中航(成都)無人機系統股フン有限公司が「翼竜-2」無人機システムをベースとし、大気観測、天気への人的干渉などの任務に向け開発した大型気象型無人機システムだ。
同無人機システムは航続距離と滞空時間が長く、積載能力と環境への適応性が高いといった特長がある。大気の状況が不安定で結氷する高原や海洋環境において、マルチ・立体型気象パラメータを取得できる。さらに「観測しながら散布」の形で、正確で効率的な天気への人的干渉作業を行える。中国の正確な気象観測と天気への人的干渉作業に正確、安全、効果的な新手段を提供する。
「翼竜-10H」近海救援型無人機システム。画像は航空工業集団が提供
「翼竜-10H」近海救援型無人機システムは、航空工業集団が「翼竜-10」高空高速無人偵察機システムをベースとし、民間用市場の需要に向け改良・開発したもので、海上迅速捜索救助任務を遂行できる無人機システムだ。近海の突発的な緊急事態の処置、捜索救助のサポート、災害状況モニタリング・評価などで重要な役割を担うことができる。
■「空の森の番人」新舟空中消火機
「新舟」空中消火機。画像は航空工業集団が提供
「新舟」空中消火機は、緊急救援体制を構築する国の需要を積極的に満たすため開発された、森林火災モニタリング、消防・消火、緊急輸送などの機能を一身に集める緊急救援固定翼機だ。同機は「新舟」の成熟した技術と長所を継承しており、巡航速度が高く航続距離が長く、低速で低空飛行でき、信頼性が高く、力強いサービスサポート体制を持つ。災害救助物資の輸送、地域を跨ぐ長距離の移動などの面で明らかな優位性を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年5月11日