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宇宙に送り込まれた「神秘的」なたね、いかに「変身」するのか?

人民網日本語版 2021年06月29日15:46

宇宙飛行士3人が有人宇宙船「神舟12号」に搭乗し、宇宙ステーションのコアモジュールに到着してから28日で、11日目となる。宇宙飛行士のほか、今回一緒に搭乗したのはランやナルコユリなどの「神秘的」なたねもあった。科技日報が伝えた。

宇宙突然変異育種とも呼ばれる宇宙育種は、帰還式衛星などの宇宙機により動植物・微生物の生殖質を地球外空間に運び、その突然変異を誘発させ、帰還後に地上で新品種を育成する育種技術だ。

「宇宙機のほぼすべてにたねが搭載され、今回の神舟12号もそうだ。宇宙機に搭載される多くは生産・生活に重要な意義を持つ種(しゅ)だ。それによって突然変異を引き起こし、地球に戻ってから有益な突然変異を選び、新品種を育成することが目的だ」。中国農業大学草業科学・技術学院の張蘊薇教授によると、中国は相次いで稲、トウモロコシ、小麦などの穀物のたね、紅景天、鉄皮石斛、五味子、防風、甘草、紅花などの生薬のたね、ムラサキウマゴヤシ、新麦草、ヤマハギ、イガマメ、スイッチグラス、ハイブリッドチカラシバ、シロツメクサなどの牧草のたね、ナス、カボチャ、唐辛子、ササゲ、白菜などの野菜のたね、サルビア、ベニハス、アサガオなどの花のたね、イチイなどの木のたねを搭載していた。

■省級以上の優秀遺伝資源を持つ200近くの新品種を育成

科学技術部(省)が建設を認めた国家植物宇宙育種工学技術研究センターと中国農業科学院が設立した宇宙育種研究センターは2009年より、宇宙変異誘発メカニズム、宇宙変異誘発新遺伝資源の開発・評価と利用、新品種及び関連工学技術と産業化などの積極的かつ秩序正しい活動を展開している。

中国農業科学院、中国農業大学などの14機関が2018年に設立した宇宙育種産業革新連盟は、宇宙育種の遺伝資源の革新、宇宙育種技術の成果の転化、その産業化の発展促進を目指している。

現在まで少なくとも130余りの研究機関が搭載と宇宙育種に参加しており、甘粛省、北京市、海南省などで宇宙育種育繁推拠点を設立している。

張氏は「宇宙突然変異育種技術を利用し、2018年までに42の省級・国家級の稲の品種を生み出した。うち2006年の実践8号育種衛星の搭載規模が最大で、穀物、綿、油、野菜、果物、花卉など9大類・2000点余りの約215キログラムの農作物のたねと菌種が含まれた。宇宙育種はすでに省級以上の優秀遺伝資源を持つ200近くの新品種を育成している。例えば実践8号、嫦娥5号など複数回の宇宙機打ち上げでは稲のたねが搭載され、その後複数の優良稲及び矮性イネなどの遺伝資源が開発された」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年6月29日

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