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若者の職業選びは「新しさ」と「高収入」のどちらも重視

人民網日本語版 2021年06月29日09:08

卒業を間近に控えた西安の大学生・白小林さんは、何日かネットの職探しサイトを閲覧した後、会社の面接を受ける計画を最終的に断念した。両親が口を酸っぱくして社会人生活を経験するよう勧めたにもかかわらず、白さんはやはり自分の興味を抱くことに忠実になろうと決意。友人と一緒に焙煎所を立ち上げることにした。中国新聞社が伝えた。

「もし好きでもない仕事を選んでしまったら、毎日が1年のように長く感じてしまうだろう。そんな生活は想像できない」。白さんは、若いうちにいろいろな職業を経験してみたいと話す。「9時から5時まで」の仕事がもたらす安定した経済的な収入よりも、働いている時の新鮮な感覚を大事にしたいのだという。

中国の伝統的な観念では、安定した仕事を選ぶことは人生においてとても大事なことだ。しかし社会や経済の急速な発展にともなって就職のプレッシャーが高まっている中で、ますます多くの中国大陸部の若者が伝統的な業界にこだわらなくなり、テーブルゲームやスタンダップ・コメディなど新しい業界に目を向け始めている。「趣味を仕事にする」というのが彼らの仕事探しのモットーだ。

さまざまな「人生のシナリオ」を体験するために、劉明浩さんは国有企業を辞め、大好きな「マーダーミステリー」業界に身を投じることを決めた。数年間の努力の結果、劉さんは西安に「マーダーミステリー」のオフライン店を2店舗構えている。毎日店の経営を切り盛りしなければならないが、時間ができさえすれば、劉さんは「マーダーミステリー」の司会者を務め、プレーヤーをゲームのシナリオの世界へと誘っている。

「マーダーミステリー」ゲームのシナリオを読む劉明浩さん(撮影・張遠)。

劉さんは、「周りにも『マーダーミステリー』が好きでこの業界に入ってきたという友人が多い。この業界が好きでなければ、業界内で競争力を保つことはできない」と話す。「『マーダーミステリー』人気はそれほど長く続かないと言う人もいるが、気にしていない。毎日楽しく仕事ができ、相応の収益があれば、それで幸せ」と劉さんは笑う。

新業態の発展にともなって多くの新職業が生まれ、雇用機会を創出したと同時に、消費者のサービスに対する新たなニーズにも応え、経済・社会の発展にも活力と創造力が注ぎ込まれた。

西安交通大学の大学院博士課程に在籍中の梁墩煌さんは、まだ博士課程を修了していないものの、すでに自分のキャリアプランを考え始めている。西安で活躍する地元のスタンダップ・コメディグループ「可楽喜劇」のリーダー的存在である梁さんは、グループの人気が高まるにつれて、卒業後はスタンダップ・コメディ一本でやっていこうと考えるようになった。

西安でステージに立つスタンダップ・コメディのパフォーマー・梁墩煌さん(撮影・党田野)。

「スタンダップ・コメディは国内では新しい業界に属する。でも観客に笑いを届け、仕事や生活のプレッシャーをやわらげることができる。そこに特に意義を感じる。もちろん、全ての前提はスタンダップ・コメディが生き残っていくことだけれど」と話す梁さん。スタンダップ・コメディを始めたばかりの頃は単なる趣味にすぎず、ステージに立っても赤字になることすらあったという。今では、ステージ回数が増えていくにつれて、大学院の勉強と生活、ステージの3者間の関係のどうやってバランスを取るかという「幸せな悩み」を抱えている。

今年の年初、中国人力資源・社会保障部(省)は新職業をいくつか発表した。そこに整理収納師も含まれていたことに、西安の夏影さんは安堵した。ベテランの整理収納師である夏影さんは、同業界の発展に特に注目している。

整理収納業界は米国で始まり、その後、日本などで流行した。夏影さんがこの職業に接した頃、中国大陸部では整理収納業界がスタートしたばかりだった。今では、夏さんの努力もあって、夏さんのチームは西安だけでも100人近いスタッフを抱えている。「私たちと家事代行サービスとの最大の違いは、従業員がほとんど若者で、全員が整理にとても興味を持っているということ」と夏さんは言う。夏さんによると、仕事内容に変化があり、時間的にフレキシブル、給料が高いというのが、若者がこの「メジャーではない」業界を好む主な要因になっているという。

整理のノウハウを見せる西安の整理収納師たち(撮影・党田野)。

陝西省社会科学院の専門家である王暁勇氏は、「家庭の経済条件が絶えず改善され、多元化される価値観の影響を受けて、伝統的な社会人が慎重で保守的だったのとは異なり、ますます多くの若者が新たな業界にチャレンジするようになっており、こうした行為によって『雇用の版図』が広がっている。その一方で、若者としても、盲目的に新しさを追求するのではなく、積極的に業界の知識を蓄積し、キャリアプランをしっかりと立てる必要がある」と指摘している。(編集AK)

「人民網日本語版」2021年6月29日 

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