重要な資源である乱数は、情報安全、暗号学、科学シミュレーションなど数多くの分野で応用の需要が存在するが、人工的に大量の「真の乱数」を生み出すのは難しい。中国科学技術大学の教授である潘建偉氏や張軍氏らは浙江大学の儲濤教授の研究チームと協力し、シリコンフォトニクスチップの研究・製造と最適化処理により、速度が18.8Gbpsの世界最速リアルタイム量子乱数発生器を開発した。新華社が伝えた。
多くの乱数発生器は実際には決定的アルゴリズムに基づくものであり、発生させるのは「疑似乱数」だ。量子力学の登場でこの局面が根本的に変わった。その物理プロセスに「内在的確率性」があるからだ。量子乱数発生器には予測不可能性、重複不可能性、不偏性といった特徴があり、量子通信システムの鍵となる中核部品だ。
潘氏や張氏らは長期的に実用的な量子乱数発生器を研究しており、複数の世界的な先端成果を取得した。彼らはこのほど浙江大学の儲氏らと協力し、更新を繰り返しシリコンフォトニクスチップを作成したうえ、処理アルゴリズムとハードウェアのさらなる最適化により高集積度を実現すると同時に、量子乱数発生器のリアルタイム生成速度を大幅に上げた。
伝送試験によると、同量子乱数発生器のリアルタイム生成速度は世界記録となる18.8Gbpsにのぼり、1秒で188億の乱数を生成するのに相当。この研究成果は、低コストの業務用量子乱数発生器シングルチップの開発に向け技術的基礎を固めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年7月5日