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動画約700本で「オオカミ飼育日記」記録した20代の女性

人民網日本語版 2021年08月03日13:41

「4年間でショート動画700本以上を投稿して、オオカミを飼っている生活を記録した」。そう話すのは楊文静さん(28)。彼女の女性らしい外見からはとてもオオカミを飼育していたようには見えない。中国新聞網が報じた。

オオカミと一緒にいる楊文静さん(写真提供・楊さん)。

内蒙古(内モンゴル)自治区錫林郭勒(シリンゴル)盟阿巴嘎(アバグ)旗に住む楊さんは、2017年の夏から、動画「オオカミ飼育日記」の投稿を始めた。ショート動画プラットフォームのフォロワーは今や340万人を超えている。

オオカミと一緒にいる楊文静さん(写真提供・楊さん)。

オオカミの飼育係は20代の若い女性

「当時働いていた旅行会社がオオカミパークと提携していて、自然な流れで飼育係になった。提携が終わった後、オオカミたちのその後の生活が心配になり、全部引き取ることにした」と楊さん。

オオカミパークでオオカミと触れ合う楊さん(写真提供・楊さん)。

オオカミの飼育をしていた理由について、楊さんは「子供の頃から、イヌ科の動物が大好きだったから」と答えた。

オオカミの群れに溶け込んだ生活というのは、エサをあげるだけといったような簡単なことに留まらない。オオカミに肉を食べさせ、オオカミが怪我すれば手当をし、時にはオオカミに手を噛まれることもあったという。ショート動画の記録を見ると、背筋が凍りそうなそんな危険なエピソードも、楊さんにとっては日常茶飯事だったことが分かる。

楊さんは、オオカミに受け入れてもらう秘訣について、「オオカミの群れに本当に溶け込むためには、自分もオオカミになり、オオカミに仲間と見てもらえるようにならなければならない」と語る。

オオカミの世界に溶け込むという非日常的な暮らしを経験した楊さん

仕入れから輸送、エサやりまで、全てのことを自分でしなければならないという非日常的な暮らしを経験することになった楊さんは、「草原で暮らしていると、買い物はとても不便で、毎週、120キロ離れた街まで車を運転して、エサにするための肉を買っていた」と話す。

オオカミパークでオオカミと触れ合う楊さん(写真提供・楊さん)。

4年間で、楊さんがオオカミパークで飼育したオオカミは一番多い時で30頭を超えたこともあったといい、「オオカミを飼育するというのは気軽にできることではない。オオカミの群れと一緒に過ごした4年間は、私が一番成長できた期間でもある」と振り返る。

オオカミパークで狼を世話していた楊さんは、弱い女性ではなく、オオカミの群れを守るべき「守護神」だったのだ。「オオカミを飼育し始めて3年で、狂犬病ワクチンを17回打った」という。

朝から晩まで一緒に過ごし、オオカミと信頼関係や絆を築いていたものの、オオカミの野生の本能を決して軽視することはできないことを実感することもあったという。

「ある時、ヒツジの匂いがするデール(モンゴル族の伝統衣装)を着て餌をやりに行った。すると、1頭のオオカミがその匂いを嗅ぎ付け、突然飛びかかってきて、私の太ももを噛んだ。オオカミの鼻を思いっきりひねり上げた。痛いほどひねられて初めて、そのオオカミは嚙むのをやめた」と楊さん。オオカミを飼育していると、ハードな作業に耐えなければならないだけでなく、オオカミに嚙まれた時にどう対処するかもマスターしなければならなかったのだ。

「やんちゃな子供たち」の次はイヌ16匹

2020年10月、楊さんは、地元の動物保護団体から、オオカミの群れを、より専門的な飼育場所に移さなければならないという通知を受け取った。そのため4年間にわたり、朝から晩までオオカミの群れと一緒に過ごす生活をしていた楊さんは、この「やんちゃな子供たち」と別れることになってしまった。

「とてもさみしかった。でも、心残りはない。オオカミたちがもっと良い環境で暮らしていると思うと、ホッとした気持ちになる」。オオカミの群れの「飼育係」という使命を終えた楊さんは今、新しい家族としてオオカミパークで16匹のイヌを飼っている。

動画「オオカミ飼育日記」は今、楊さんの人生における貴重な思い出となっている。楊さんは、「動画アカウントで、今も投稿を続けている。オオカミを飼う様子の動画にしても、イヌを飼う様子の動画にしても、私らしいスタイルで、一人でも多くの人が動物を愛護することを推進していきたい」とその思いを語った。

「人民網日本語版」2021年8月3日

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