聴覚障害者のイラストレーター蘭珍妮さんは、東京五輪で金メダルを獲得した中国人選手をかわいいイラストで描いている。「五輪でベストを尽くす全てのアスリートが、私のヒーロー」と蘭さん。華夏時報が報じた。
蘭さんは取材に対して、「イラストは下描きから完成まで、簡単なものなら1時間、複雑なものなら3時間くらいかかる。例えば、射撃混合10メートルエアライフルの金メダリストの楊倩/楊皓然ペアのイラストは、こまごまとした部分が多かったので、3時間以上かかった」と話した。
イラストの完成度を上げるために、蘭さんは、五輪の試合の進捗状況に関心を寄せながら、アスリートたちの細々した部分までチェックしているという。例えば、楊倩選手が付けていたヘアアクセサリーやネイル、ウエイトリフティングで李発彬選手が見せたフラミンゴのような片足立ち姿などだ。
「アスリートたちは、4年に1度の五輪のために私たちの見えない所で努力し、汗水を流してきたので、本当にすごい。そのストイックで、絶対に諦めず、粘り強く、一生懸命に努力する精神は、私たちも学ぶ価値がある」と蘭さん。
1987年生まれの蘭さんは、とても美しい女性で、両親からは「晨晨」と呼ばれている。しかし、抗生物質のゲンタマイシンの投与が原因で、1歳の時に、耳が聞こえなくなってしまった。
しかし、粘り強く努力し、読唇術をマスターし、健聴者と同じ普通の学校に通った。そして、学校では、普通の人以上の努力を積み重ねたという。
1993年、当時6歳だった蘭さんは、絵を習い始め、絵を通して自分の感情を表現するようになった。
2008年、蘭さんは、志望校だった中国教育部直属の唯一の美術大学「中央美術学院」に合格。在学中の21歳の時に、初のイラスト集を出版した。その後、2011年に大学を卒業し、現在は山東世博文化伝播有限公司でイラストレーターとして働いていている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年7月30日