3年連続のモニタリングデータによると、中国科学院国家天文台の研究チームが青海省冷湖鎮賽什騰の山間部の標高4200メートルに設置した標高点(賽什騰Cエリア)における光学的観測条件は、シーイング、赤外線観測及び晴夜日数、晴夜の背景の明るさ、気象などの面から総合的に考慮すると世界一流の大型天文台に比肩できる。中国新聞網が伝えた。
中国科学院国家天文台の鄧李才氏の研究チームがこのほど完了した、青海冷湖光学天文台の設置先選定及びモニタリングの重要な科学の進展に関する論文は、北京時間18日夜に国際的に有名な学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。
鄧氏のチームは2017年、青海省海西蒙古(モンゴル)族蔵(チベット)族自治州の冷湖地方政府と緊密に協力し、同州西部の無人エリアで天文台の設置先探しを開始した。冷湖地区は、日照が豊富で降水量が極めて少なく夜空が晴れ渡るといった、歴史的に記録されている気象条件が非常に良好だった。それに基づき、研究チームは冷湖鎮賽什騰の山間部を実地調査し、賽什騰Cエリアで設置先を選定することを決定した。
2020年末現在、冷湖設置先の主要モニタリングデータは3年分蓄積されている。研究チームの詳細な統計・分析によると、賽什騰Cエリア(標高4200メートルの標高点)のシーイング中間値は0.75秒角で、この数値は世界的に最良の設置先の同期のデータとほぼ同等で、その他の設置先より全面的に優れている。赤外線観測の条件において、「種の起源」や「生命の起源」などの究極な科学目標に対して最も重要な設置先の指標は水蒸気の沈降だが、冷湖賽什騰設置先はすべての中緯度の世界一流の設置先の中で最も優れている。観測可能な時間とシーイングに基づく総合定量分析によると、冷湖賽什騰山の品質は青蔵高原(チベット高原)のその他の設置先選定エリアより優れており、同じく中緯度に位置するチリ北部のアタカマや米ハワイのマウナケアといった国際的に公認されている最良の光学天文台設置先とほぼ同等だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月19日