野菜栽培で「ネット接続ハウス」を活用

人民網日本語版 2021年09月06日14:50

山東省濰坊市寿光市の王家留営村で、大規模農業を営む孫明山さんの暖房式野菜ハウスに、各種スマートセンサーや自動ローリングブラインドマシン、スマートブロワー、スマート霧化器、スマート補光ライトといった様々なサポートマシンが加わった。昼になり、ハウス内の気温が急上昇すると、孫さんはスマートフォン片手に操作するだけで、排気口の開き具合を調節し、正確に気温をコントロールすることができる。曇りがちの日で日照が不足していれば、スマート補光ライトが野菜の必要に応じて、自動的に補光時間を設定する。人民日報が伝えた。

寿光市は全国的にも有名な施設農業拠点で、大型ハウスで育てられた野菜が全国各地に出荷されている。人生の半分以上にわたり野菜を栽培してきた孫さんにとって、「稼げるかは天候頼み」という経験が徐々にモノのインターネット(IoT)のスマートデバイス及びビッグデータに取って代わられており、スマホが無くてはならない新しい「農具」になっている。この夏、スマート霧化器の霧化・気温低下機能により、孫さんのハウスのキュウリの成長期が1ヶ月近く延び、収益が例年より4分の1増加した。孫さんは、今冬も豊作を維持できると自信を抱いている。

その自信は施設農業に特化したデジタル化全体ソリューションである「ネット接続ハウス」から得られている。この技術とサービスを提供するのは、農業科学技術ベンチャー企業の雲洋物聯公司だ。同社の趙洪啟CEOは、「当社は各種センサーにより、気温と湿度、日照、作物及び果物の茎の太さや高さなどの、環境データ及び作物成長データを採集・モニタリングする。データをエッジコンピューティングのスマートゲートウェイデバイスに集め、ビッグデータクラウドプラットフォームにアップする。環境-作物-管理の最良の関係を掘り起こし、コスト削減とパフォーマンス向上、質向上と増収を実現する」としている。

同社の首席科学者の崔偉氏は、「ある作物の栽培モデルを構築するには長い時間が必要となる。1年目に初歩的なモデルを形成し、2年目に最適化・調整を行い、3年目にさらに充実させ、4年目に市場で再検証する。ディープラーニング後のモデルの最適化を改めて行い、市場での大規模販売に向けた基礎を固める」としている。

同社は2017年より、トウガラシ、ナス、キュウリ、サクランボなどの7種類の作物を選び、試験を行っている。一部作物の栽培モデルはすでに大規模普及が始まっており、山東省や河北省、内蒙古(内モンゴル)自治区などの1万6000以上のハウスをサポートし、その栽培面積は10万ムー近くにのぼっている。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年9月6日 

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