農村を訪ねて「小康」を感じよう(2)山東省寿光市の農業は力仕事からスマホ片手に

人民網日本語版 2021年07月16日11:02

【はじめに】中国共産党創立100周年祝賀大会で、習近平総書記は、党と人民を代表して、「全党、全国の各民族の人民の持続的な奮闘を経て、中華の大地で小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させるという1つ目の100年の目標を達成し、絶対的貧困の問題は歴史的な解決をみた。今は、社会主義現代化強国を全面的に完成させるという2つ目の100年の奮闘目標達成に向けて、意気揚々と邁進している」と厳かに宣言した。

小康社会の完成度は、農村を見れば分かるものだ。農業が発展しているか、農村が美しいか、農民が豊かな生活を送っているかなどは、小康社会の全面的な完成の質と社会主義現代化の質を左右する要素となる。

人民網日本語版では、「農村を訪ねて『小康』を感じよう」をテーマにしたシリーズ記事を掲載し、中国の広大な農村で生じている生産や生活における大きな変化、そして人々がしっかりと実感している獲得感と幸福感、安心感を紹介していく。また新時代における美しい農村ののどかな風景や小康社会を全面的に完成させた農村の物語を描き出していく。

「中国寿光型」スマートガラス温室内のロボット。授粉や輸送、農薬散布、パトロール、ピッキングなどが自動化されている。

山東省寿光市は、「中国の野菜の里」と呼ばれている。同市北部にある崔家荘村では、1990年代からビニールハウスで、キュウリやトマトなどを栽培し始め、村民たちは豊かな暮らしができるようになっている。同市は長年、野菜の栽培の面においてもさまざまな模索を続けてきた。

数年前、崔家荘に近代的な農業イノベーション起業モデルパークが建設された。同パークには、近代化されたビニールハウスが160棟あり、90年代に使われていた第1世代のビニールハウスとは全く異なっている。今では第7世代となっているビニールハウスには、たくさんのスマート化設備が採用されており、現地では「クラウドビニールハウス」と呼ばれている。伝統的な温室ビニールハウスが、インターネットに接続できるようになると、農家は家にいても、スマホのアプリを通じて、ビニールハウスのビニールを巻き上げたり、換気をしたり、肥料や水をやったり、光の調整をしたり、温度調整をしたりすることができ、作業量を効果的に減らすことを実現している。

上空から見ると一面に整然と並んでいる野菜栽培ビニールハウス。

村民の李義海さん(54)は、「ゴシキトウガラシに最適な気温は28度。スマホで温度設定をすることができ、28度を超えると、スマート設備が自動で換気をしてくれる。逆に28度より低くなると、換気を止める」と説明する。

寿光野菜小鎮で、昇降機に乗って無土壌で栽培されたトマトの世話をする男性。

ベテラン農家である李さんは、同村の野菜のビニールハウスの発展の過程を目の当たりにしてきた。そして、「今のビニールハウスでの栽培は、以前と比べると、かなり楽になった。このビニールハウスの長さは300メートルで、幅は21メートル。高度にスマート化と自動化がされていて、普段は僕一人で管理できる」と話す。以前、農家の人々は、膝の関節痛や腰痛などの職業病に、しょっちゅう悩まされていたものの、新しいビニールハウスを採用してからは、そのような問題はほとんどなくなったという。

現代農業ハイテク試験モデル拠点。

寿光市農業農村局の王立新局長によると、同市は2018年から、総敷地面積約1533ヘクタールの重点野菜パーク25パークの建設に取り組んでおり、スマート化ビニールハウスを建設することで、光や温度、水、空気、肥料などを高い精度で調整することができるようになった。そして、野菜栽培で消耗する資源を大幅に削減しながら、生産量を大幅に増やすことにも成功し、伝統的な農業から、生産量が多く、効率的で質の高い近代化農業へのモデル転換を促進している。同市には現時点で、スマート化ビニールハウスが1万6000棟あり、農民の年収は5億元(1元は約17円)増加した。(編集KN)

ハイテクを駆使して栽培されているトマト。

「人民網日本語版」2021年7月16日

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