中国農業科学院によると、中国はハイブリッドじゃがいもの研究で大きな成果を上げた。中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所の黄三文研究員が率いる科学研究チームは、理論と方法を刷新しハイブリッドじゃがいもを育成した。4倍体育種の代わりに2倍体育種を用い、じゃがいもの欠片の代わりにハイブリッド種子繁殖を用いた。国際的な学術誌「セル」がこのほど黄氏のチームによる研究成果をオンライン発表した。これは中国の「優良じゃがいも計画」実施後の重大な進展だ。人民日報が伝えた。
世界で13億の人口はじゃがいもを主食としている。従来から、無性生殖によって行われてきたじゃがいもの生産は、生殖効率が悪く、保存・輸送コストが高く、病虫害に感染しやすい。一般的なじゃがいも栽培は無性生殖の同源4倍体種により行われる。4倍体の遺伝の複雑性により、じゃがいもの品種改良プロセスが緩慢になっている。現在2倍体育種はすでに世界のじゃがいも研究のホットな分野になっているが、2倍体ハイブリッドじゃがいもの育種を実現するためには、自家不和合性と近交弱勢という2つの大きな壁を乗り越えなければならない。
黄氏のチームはじゃがいもの自家不和合性を打破するとともに、じゃがいもの近交弱勢の遺伝の基礎を体系的に解析した。これを踏まえた上で学科の優位性をよりどころに育種プランを練り、第1世代ハイブリッドじゃがいも品種「優良じゃがいも1号」を育成した。小範囲の試験によると、その生産量は1ムー(約6.7アール)あたり3トンに迫り、生産量の大きな雑種強勢を持つ。「優良じゃがいも1号」の育成成功は、ハイブリッドじゃがいも育種の実現可能性を証明し、じゃがいもの品種改良は急速な世代交代の軌道に乗った。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月16日