中国の稲栽培の北の境界線には、過去30年で著しい変化が生じた。そして気候変動は、高緯度・高標高地域への移動が進む重要な原因だ。中国農業科学院農業資源・農業区画研究所スマート農業イノベーションチーム、国際食糧政策研究所などがこのほど共同で、上述した結論を「Environmental Research Letters」に掲載した。
研究によると、中国の稲栽培の北の境界線は過去30年で、高緯度・高標高地域への移動が進む顕著な傾向が見られる。うち高緯度地域に平均で24.93キロメートル移動し、最大移動距離は88.01キロメートルにのぼった。高標高地域に平均で39.15メートル移動し、最大移動距離は117.08メートルにのぼった。
収益、農業政策、灌漑条件、水稲畑苗技術などの社会的・経済的要素は、稲栽培の北の境界線の拡張に対してある程度の促進的役割を担う。うち温度上昇の駆動力が最も大きい。平均温度が1リットルあたり1%上がると、稲栽培の北の境界線地域における稲の栽培面積が2.24%増加する。
研究者によると、これは温度上昇により稲の栽培に適した地域が高緯度地域に拡張することを意味する。一方で、気候変動に適応するために、経済駆動及び技術の進歩により、稲栽培の北の境界線が北に移動している。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年7月19日