中秋節(旧暦8月15日、今年は9月21日)の連休と国慶節(建国記念日、10月1日)の連休がまもなく訪れようとしており、各地では省・自治区・直轄市をまたいだ旅行が続々と再開されている。ところがそんな中、福建省で新型コロナウイルス感染症が突然発生し、多くの人が「国慶節連休までに感染症は抑制されるだろうか」、「こんなことになって連休に楽しく出かけられるだろうか」と心配している。中国新聞網が伝えた。
多くの人が中秋節・国慶節連休に旅行や親族訪問に出かけようとしている時に、福建省莆田市で感染症が発生し、人々の間に緊張が走った。「連休前に感染症が発生したので、連休は出かけられなくなるのではないか」との懸念が広がる。
今回の感染症発生前、中国の国内観光市場は緩やかに回復していた。北京市、上海市、広東省、山東省、四川省、内蒙古(内モンゴル)自治区、海南省など複数の地域で省を跨いだ団体ツアーと「航空券+ホテル」の業務が再開した。市場の予測では、夏休み以来の抑圧されてきた旅行ニーズが中秋節・国慶節の連休期間に顕在化すると見られていたものの、感染症が再び発生したため、旅行に何らかの影響が出るという。
複数のオンライン旅行予約プラットフォームを見たところ、福建省の感染症の影響で、確かに一部にキャンセルも出ているが、その規模は小さい。
こうしたプラットフォームの1つである去哪児によれば、同社のプラットフォームを見ると、感染症によるキャンセルの影響の及ぶ範囲は厦門(アモイ)市と泉州市に限られており、全国の旅行への影響は小さい。現在、全国の旅行に影響する要因は主に台風で、これまでにキャンセルされたチケットは前週同期の2倍前後に達したという。
国慶節前に感染症は抑制できるか?
中央テレビニュースの報道では、国家衛生健康委員会が派遣した福建省作業チームの専門家の判断によると、現在の莆田の感染状況は厳しく複雑で、今後もコミュニティ、学校、工場など人が集まる場所で引き続き感染者が確認される可能性は高く、感染症が外に広がるリスクもある。
ただ専門家の判断によれば、これまで積み上げてきた常態化した感染症に関する成功体験をしっかり活用し、各種の措置とプロセスが実施されるよう確保すれば、感染症は国慶節連休前に規模の拡大を抑制できるという。
ダブル連休には出かけられるか?
中国観光研究院の唐暁雲副院長は、「福建省の感染症はまだ抑制可能な範囲にとどまり、消費者の旅行をめぐる信頼感に影響を与えるとはみられるが、影響は主に福建省内にとどまるだろう」と述べた。
唐氏は、「現在、各地はどこも旅行時における感染防止を非常に重視し、レベル別の対策措置がすでに常態化している。これに中秋節の小型連休の旅行は現地の旅行と周辺の旅行が中心であることも加わって、省をまたぐ旅行への影響は少ない。国慶節連休期間の場合は、福建省の感染症対策状況を見ながら改めて判断する必要があるが、全体としてみれば、観光市場全体の回復状況に影響を与えることはない」と指摘した。
また唐氏から見ると、各地の現地旅行や周辺旅行の市場が発展し、中国国際サービス貿易交易会、中国・アラブ諸国博覧会、広東国際観光産業博覧会など各種の文化・観光関連の展示会が予定通り行われ、そしてユニバーサル・スタジオ・北京が開園するなどのプラス要因もあり、市場への信頼感を高めるポジティブな役割をしっかり果たすとともに、観光市場の旺盛なニーズも証明しているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月16日