チップの技術分野を深く開拓することで利益を実現
原氏は、「自動車規格ランクのチップは自動車産業の中核を担う重要部品であり、中国の将来の自動車市場の方向性を決定づけるものであり、必ず自力更生して解決しなければならない重要な問題だ」と述べた。
張氏は、「どうして中国はチップを生産できるのに、自動車用チップ、特に付加価値の高いチップを生産できないのだろうか」との疑問を投げかけた。これはじっくり考えるべき問題だ。
張氏は続けて、「中国で生産されるチップのエネルギー消費量は輸入チップより55%多い。同じエネルギー消費量であれば、国内産チップの性能は輸入チップより8%低下する。中国のチップ製造のプラント技術は海外の先進レベルより弱い」と分析した。
チップの製造は単純化すると設計、製造、閉鎖テストの3段階に分かれる。この3段階の周りで支える産業または企業が大量に必要であり、たとえばシリコンチップ、マスクアライナー、電子特殊ガス、高精度フォトレジストなどを含み、どのプロセスにも技術の「ボトルネック」が出現する可能性がある。
張氏は、「自動車用チップの製造分野の競争は実際には産業チェーン全体にわたる競争だ。中国が現在、チップ製造で直面する問題は、産業チェーン全体の中で中国が進歩しなければならない点を如実に物語る」との見方を示した。
張氏は技術の収益点を分析し、チップメーカー・産業の発展の優先プランについて、「将来の中国のチップ技術をめぐるチャンスでは、より先進的な製造技術に挑戦する必要がある。中国企業は55ナノメートルノードに照準を合わせるのがよい。これは技術の面で多くの優位性を備えている」との見方を示した。
嘉興斯達半導体股份有限公司の沈華会長は、「自動車用パワーMOSFET部品の分野で、特に絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の分野で、中国国内のメーカーは今ではすべての電力レベルのIGBT製品を提供できる」と述べ、今大会に参加した各自動車メーカーの責任者たちを大いに喜ばせた。そして、「当社は中国の自動車規格ランクのパワーモジュールがこれまでずっと海外メーカーに独占されていた状況を他社に先駆けて打破した。当社の炭化ケイ素モジュールには中国内外の乗用車および商用車の注文が入っている。今年から量産をスタートし、来年は大規模生産を行う」とした。