9月21日は、「世界アルツハイマーデー」だ。今年のテーマは、「己を知り、早期受診・治療する」をテーマとして、アルツハイマー病の初期段階のサインをいち早く見つけ、早期診断と早期対策の重要性を人々に呼びかけている。アルツハイマー病は老年性認知症の主要タイプとなっている。統計データによると、中国におけるアルツハイマー病患者は1千万人以上で世界トップ、2050年には4千万人を上回るとみられている。中央テレビ網が伝えた。
専門家は、アルツハイマー病を患うリスクは5歳年を取るごとに倍増していくとしており、早い段階から疑い、早期発見と早期対策を行えば、老年性認知症の発病者を30%減らし、発病を5年遅らせ、発病率を50%下げることが可能だとしている。また、中国におけるアルツハイマー病の発病状況は、次第に若年化しており、臨床現場での最年少患者は40歳未満となっている。アルツハイマー病に対する国民の認知度が低く、早期受診率が極めて低いことが、中国でのアルツハイマー病予防・治療プロセスを阻害する大きな要因となっている。
殆どの人々は、アルツハイマー病は脳内の「消しゴム」だと捉え、それによって高齢者が自分のことも周囲の身内のことも忘れてしまう、という認識を抱いている。だが、実際には、「物忘れ」は、アルツハイマー病の症状の一つにすぎず、多くの場合、この病気によって、一人の人間の性格がコロッと変わってしまう。専門家は、以下の症状が現れた場合、アルツハイマー病を疑った方が良いと警鐘を鳴らしている。
1)記憶機能の低下および認知機能の退化。
2)人格の変化、性格の変化、抑うつ・怒り・幻想・妄想など精神状態の変化。
もともと柔和だった人がキツい性格になる、あるいはもともと活発だった人が内向的になった場合も見逃してはならない。
3)基本的な日常生活能力が急激に低下した場合。
現在までにアルツハイマー病を完全に治す方法は確立されていないため、予防・早期対策が特に重要になってくる。アルツハイマー病に罹患するリスク要因の多くは、不健康なライフスタイルと慢性疾患に由来することが、最新の研究で実証されている。そのため、運動・栄養・ライフスタイルの改善といった早期対策を講じることで発病を遅らせることは十分に可能だ。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年9月22日