六中全会

悲しく切ない曲「漠河舞庁」が中国国内で爆発的な大ヒットに

人民網日本語版 2021年11月19日15:10

ショート動画プラットホームで最近、歌手・柳爽の曲「漠河舞庁(漠河のダンスホール)」の再生回数が36億2000万回に達した。その爆発的ヒットの理由は、曲の題材となった切ない感動のエピソードが多くの人の心を動かしているからで、同曲をカバーする人も続々と登場。さらにその影響で、黒竜江省漠河市の文化観光も話題となっている。揚子晩報が報じた。

「漠河舞庁」の人気のほどは、数年前に国民的ヒップホップミュージックとなった「野狼disco」と比べても遜色なく、5年前の趙雷の曲「成都」を思い出させる人気ぶりとなっている。「漠河舞庁」は、90後(1990年代生まれ)のレーベルには所属していない歌手・柳爽が2020年6月にリリースしたアルバム「1st.星球」に収録されている。

「漠河舞庁」がこれほどの人気となったのは、音楽プラットホームやインターネットプラットホームのサポートがあったからだけでなく、その曲の題材となったエピソードによるところも大きい。柳爽は取材に対して、「この歌は、ダンスホールで一人で踊る男性・張徳全(仮名)と、火事で亡くなった妻の物語をベースにしている。2019年12月に題材を探すために黒竜江省漠河市を訪れた際、あるダンスホールの前を通り、そこから流れてくる懐かしい音楽に惹かれて中に入ってみたら、高齢の男性が一人で踊っていた。そして、男性と妻の切ないエピソードを聞いた。男性の妻は1987年5月6日に黒竜江省北部の大興安嶺にある森林地帯で発生した火災で亡くなったという。それから現在まで男性は再婚もせず、子供もいない。彼は火事が発生した場所の近くに建てられたこのダンスホールにしょっちゅう来て、ダンスをしては、ダンスが大好きだった妻を偲んでいるという」と語った。

「漠河舞庁」の大ヒットは、「漠河文化・観光局」などの大きなサポートとも関係がある。今年3月に、同局が、ショート動画プラットホームの公式アカウントに「漠河舞庁」をアップした時は、大きな反響はなかったという。しかし、この曲がヒットし始めてからは、そのアカウントで曲の題材となったエピソードをたびたび紹介している。

同アカウントによると、張さんの妻は生前、ダンスが大好きで、二人はしばしば物が山積みされている倉庫に入りこんでは、明かりを灯し、少しだけひらけた場所を使い、ダンスの練習をしていたという。妻の死後、その倉庫の近くにダンスホールができ、張さんはしばしばそこに1人で来るようになった。またこの曲を聞き、多くの人が1987年に起きた大火災の痛ましい記憶を呼び起こしている。この火災では、101万ヘクタールが焼失し、5万人以上が被災し、210人が亡くなった。

漠河文化・観光局の馮広慶局長は取材に対して、「漠河舞庁の題材となったエピソードの動画の製作者である男性は柳爽のファン。10月中旬に、その男性が曲の題材となった張さんの感動のエピソードを描き出し、それを曲と合わせて流す動画をショート動画プラットホームに投稿したところ、瞬く間に爆発的人気となった」と説明。そして、同局が「漠河舞庁」の爆発的大ヒットをサポートしたことに関しては、「話題作りのためだけにやったわけではない。一人でも多くの人に、漠河にはダンスホールだけでなく、たくさんの美しい自然の景色があることを知ってもらいたい」と話した。 (編集KN)

「人民網日本語版」2021年11月19日

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