北京市がこのほど発表した新しい高校入試(中考)の体育をめぐる改革・措置は、高校入試の体育の点数をこれまでの 30 点から 70点に引き上げている。また、卓球や武術、水泳といった14種類の中から受験科目を選ぶことができるようになっている。中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが報じた。
一部の保護者は取材に対して、「体育の成績の高校入試における比重がどんどん高くなっているので、子供のトレーニング開始時期を早めている」とし、試験の通常科目に入っている競技のほか、子供の筋肉を強化するため、フェンシングやロッククライミングといったニッチなスポーツもその選択肢に入れていることが分かった。
体育専門の教師やコーチが不足
高給でコーチが引っ張りだこに
取材では、学校だけでなく、専門のトレーニング機関でも、体育専門の教師やコーチが不足していることが分かった。
北京のあるロッククライミングクラブの責任者・魏俊傑さんは、「青少年が 約50%増えた。コーチが本当に足りない。コーチが15人必要で、募集を出したものの、1ヶ月で2人しか見つからなかった」と話す。
体育の授業がますます重要になっているのを背景に、体育専門の教師不足が特に顕在化している。
首都体育学院を卒業した陳楚霖さんは現在、あるバトミントンクラブのコーチをしており、取材に対して、「1日6時間働いて、月収は2‐3万元(1元は約17.8円)。同じ学部を卒業した人の中には、年収約60万元など、もっと稼いでいる人もいる」と話す。
スポーツ教室市場でコーチ不足が深刻となっているほか、中国教育部(省)の統計によると、一部の学校では、生徒 2600人に対して、体育教師 2人しか手配できないという現実に直面している。そのため、多くの学校は教職員の中からヒューマンリソースを深く発掘するほか、相応の社会資源も動員している。
中国人民大学中国就業研究所の曾湘泉所長は、「学校は体育教師の編成枠を適度に広げることを検討する必要がある。編成枠を広げるのが難しいなら、兼職の教師を採用することができる。中国には現役を引退した非常に優秀なアスリートがたくさんいる。そのような人は体育の教育に携わることができるだろう」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月21日