国網寧夏電力有限公司が昨年末に明らかにしたところによると、寧夏回族自治区は十数年にわたり2大「西電東送」(西部地域で発電した電気を東部地域に送電する)プロジェクトを通じ火力電力とグリーン電力を華東、華北地域に尽きることなく送り続けている。外部への送電量は累計5009億kWhにのぼり、初めて5000億kWhを突破した。科技日報が伝えた。
寧夏は近年「エネルギーが豊富にある」という強みにより中国東部、北部地域の人口大省の「電力不足」を補い、資源の優位性から経済の優位性への転換を加速させ、華北、華東地域の電力需要を満たすための積極的な役割を果たしている。二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成に向け積極的に貢献している。
寧夏の銀東・霊紹の2本の直流プロジェクトを使った外部への送電量は2020年に790億kWhを超えた。寧夏電力網は中国全土で初めて外部への送電量が内部を上回った省級電力網となった。うち銀東直流プロジェクトのエネルギー利用率は数年連続で全国直流ルートのトップを占めており、現在実用化されているうち運営効果が最も大きい省・自治区を跨ぐ直流送電プロジェクトだ。
計算によると、寧夏の累計外部への送電量は2億トン近くの標準の石炭を現地で燃焼させたのに相当し、CO2の排出量を4億9850万トン、カーボンブラックを1億3600万トン、窒素酸化物を750万トン削減し、目立った環境保護効果と社会効果を上げている。
全国の新エネルギー急成長による利用の圧力に直面する中、寧夏は2大直流プロジェクトをよりどころに「風力・太陽光・火力」をひとまとめにし外部に送電している。新エネルギーの外部への送電量は2013年の3億kWhから21年の170億kWhに急拡大し、新エネルギーの外部への送電利用量が新エネルギーの電力網への接続量に占める割合が40%を超えている。
同社のサブチーフエンジニアの閆志彬氏は、「当社は新エネ送電を中心とする3本目の外部への送電プロジェクト、寧夏〜華中(湖南)±800kV超高圧直流プロジェクトを積極的に計画・推進している。新エネ電力の利用に余地を提供し、エネルギー構造の調整を推進し、グリーン電力のフル発電、フル送電、フル活用の実現に努力する」と述べた。
この直流ルートとこれまでのルートの最大の違いは、新エネルギーの送電が中心であるうえ、火力発電を増やさず、新エネルギー送電が占める割合を50%以上にすることだ。
同社は2025年までに省級エネルギーインターネットを大まかに完成させ、自治区のクリーンエネルギー設備容量を4500万kW以上にし、「2つの50%」(設備容量に占める割合が50%以上、発電量に占める割合が50%以上)を実現する。水力を除く再生可能エネルギーの利用に占める割合を28%に上げる。直流ルートの外部への送電能力を2200万kWにし、外部への送電量を1000億kWhにする。
同社は2030年までに新エネルギーを中心とする新型電力システムの構築を続け、CO2排出量ピークアウトの早期達成をサポートし、カーボンニュートラルの実現に向け基礎を固める。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年1月5日