2022北京冬季五輪

自由な働き方を求めて 運転代行を副業から本業にした男性 (2)

人民網日本語版 2022年03月03日15:45

また、劉さんによると、人々の法治意識が高まるにつれて、運転代行を利用する人がますます増え、自分の収入も目に見えて増えるようになったという。そして、インターネットを通してオーダーを受けるため、仕事の有無を心配する必要はなく、運転技術の高さと接客態度の良さもあり、より質の高い注文を得られるようになっているのだという。そこで劉さんは2017年に病院の仕事を辞めて、運転代行を本業とするようになった。

収入は平均1万元以上 1200キロ離れたハルビンまで運転したことも

劉さんは、病院を辞めたことを家族には伝えていなかった。そして2年経ったある日、前もって連絡することなく病院に尋ねに来た父親が、元同僚から辞めたことを知った。「夜になると仕事に出かけ、酔っ払っている人を相手にすることもある仕事を両親たちはきっと理解できないだろうから、心配させたくなくて、ずっと黙っていた」と劉さん。

そして、「こんなに長くこの仕事を続けるとは自分でも思ってもみなかった。でも、今でもこの仕事をずっと続けたいと思っている。勤務時間は自由だし、仕事をしたい時はして、休みたい時は休める。サラリーマンのようにタイムカードを打つ必要もない。それに、やったらやった分だけ稼げて、収入も少なくない」と話す。

「こんなに長くやっているけど、遠すぎるなど僕自身の理由でオーダーをキャンセルしたことはない。(北京市郊外の)房山区や平谷区などは、僕にとっては別に遠いとは思わないし、目的地がどこであっても運転する」のだという。早朝4時ごろになって、客が少なくなると、劉さんは仕事を切り上げ、自分の電動自転車に乗って、北京通州区にある自宅に帰っていく。

そんな劉さんがこれまで運転代行で行った一番遠い場所はなんと 1200キロ離れた黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)。その運転代行をオーダーした客は結婚式用に車2台が必要で、ハルビンまで運転して行かなければならないが、運転できるのは一人だけだったので運転代行を利用したということだった。劉さんは翌朝7時に出発して、同日夜10時に目的地に到着した。客は劉さんが北京に戻れるよう翌朝の飛行機のチケットを買ってくれたといい、劉さんはその仕事で2900元を稼いだ。

運転代行という仕事は、1年を通して見ると、オン・オフシーズンがはっきりしており、冬がオンシーズンになる。そして、最も忙しくなるのは、旧暦の12月と1月で、12月23日から1日当たりの収入が1000元以上になり、今年は旧暦1月4日から6日までの3日間だけで3500元も稼いだという。「運転代行は、かなり稼げる仕事。普通にオーダーを受けているだけで、1ヶ月に1万元以上は稼げる。ちょっと頑張れば、2万元以上も可能だ。ネット上で3万元以上というのも見るけど、それはちょっと大げさだと思う」と劉さん。

運転代行をして7年になる劉さんは今、60-70人の運転手を束ねるグループ長となっている。最も多い時で、グループ内の運転手は200人に達したという。劉さんによると、運転代行をする人が増え、オーダーが入る範囲が以前の3キロから1キロに狭まるなど、仕事の環境の変化も経験しているものの、その分利用客も増えているという。運転代行を利用するのは、酒を飲んだので運転できなくなったという人だけでなく、「使い走り」のような使い方もある。例えば、忙しくてメンテナンスのために4S店(ディーラー)に車を運転していく時間がない車オーナーが運転代行を頼むというケースだ。また、アウディやランドローバー、ベンツ、トヨタなどの4S店と提携し、メンテナンスの際の運転代行料金を4S店側で負担するサービスも行っている。さらに、中古車業者のなかには、車を引き取る際、時間を節約するために運転代行を利用するところもあるのだという。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年3月3日

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