2022北京冬季五輪

シリンゴル草原で線路をパトロールする騎馬警官隊

人民網日本語版 2022年02月25日16:52

内蒙古(内モンゴル)自治区の錫林郭勒(シリンゴル)草原では、騎馬警官隊が鉄道の線路沿いをゆっくりと進んでは、注意深くパトロールを行っていた。

この騎馬警官隊は、内モンゴル自治区呼和浩特(フフホト)鉄路公安局錫林浩特(シリンホト)鉄路公安処管内の正藍(ショローン・フフ)旗駅やシリンホト駅、桑根達来(サンゲンダラ)駅、正鑲白(ショローン・フブート・チャガン)旗駅といった駅の公安派出所の鉄道警察で構成され、集通線と錫二線沿線の治安パトロールを担当している。

草原の気候は複雑で変化しやすく、毎年10月下旬から翌年5月まで雪が降る。冬は寒さが非常に厳しく、1メートル以上積雪し、くぼ地では3メートルに達することもある。

集通線と錫二線の沿線の多くのエリアは草原・牧場で、牧畜民が家畜を放し飼いしているため、線路の治安状況も複雑だ。また、沿線は丘陵、砂地も多く、道路は整備されておらず、車両が通行できない所も多くある。そのため、鉄道警察は馬に乗ってパトロールするスタイルを採用している。

「道がない砂地があり、冬になると膝ぐらいまで雪が積もるため、絶対に馬に乗れるようにならなければならない。そうでなければ任務を遂行できない」。草原を馬で走るこの警察隊のメンバーは、中国各地から来ており、同地に来るまでほとんどが馬に乗った経験などなかった。しかし、厳しい訓練を受けて、今ではたくましく鍛えられ、馬を乗りこなしている。

春運(春節<旧正月、今年は2月1日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間中、線路パトロール隊はパトロールの回数を増やし、1日の勤務時間は10時間以上になる。草原の奥は、火を使うことが禁止されているため、警察官らは外出してパトロールする際、弁当を持参しなければならない。しかし、朝出かける時は温かった弁当もお昼になると冷えきってしまっている。冷えた弁当を食べるというのは、警察官らにとっては普通のことで、線路沿いの石を「自然の食堂」にして食事を取っている。

管轄区の線路の両側には牧畜民が分散して住んでおり、悪天候になると、牧畜民の生活物資不足が難題となる。そのため、騎馬警官隊はパトロールのついでに、代わりに買ってきた生活物資や常備薬などを牧畜民に届けている。こうしたことを経て、牧畜民と警察官は今では家族のような関係になっている。

騎馬警官隊が草原鉄道をパトロールするようになって今年で10年目を迎えた。これまでの10年間、厳しい寒さの冬であっても、雪にも風にも耐え、外で冷たい弁当を食べ、馬に乗って鉄道の安全を守ると同時に、草原で暮らす牧畜民が安心して暮らすことができるようサポートしてきた。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年2月25日

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